上場子会社、狙うなら今! “再編の季節”5月を視野に

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決算発表シーズン入りをにらんだ投資戦略の一環として、「親子上場解消」にもあらためて焦点が当てられていい。

信越ポリ(7970) 週足

信越ポリ(7970) 週足

野村証券が15日付で発行した「親子上場解消トレンドを利用した投資戦略」によると、「特にアナウンスが多い月は3月決算企業の本決算発表と重なる5月」「5月にアナウンスされた合併やTOB(株式公開買い付け)は全体の2割弱」とされる。

野村証券の定義による親子上場企業は、昨年9月末で289社。2007年3月末ピーク(417社)から3割強の減少となっているが、最近の社外取締役急増などコーポレートガバナンス面で株主の要求が厳しさを増す中、減少ペースに拍車が掛かっても不思議ではない。目立った完全子会社化案件の見られない今こそが、「5月」を視野に関連株に網を張る好機と言えるかもしれない。

ただし、この野村レポート。非常によくまとまっていて勉強にはなるが、ややアカデミックな作りで、候補銘柄などは登場しない。「合併やTOBの対象となる子会社の特徴」について、「バリュー指標で見て割安な子会社や、株価が低下してきた子会社、時価総額が小さい子会社ほど、対象になりやすい」としているが、具体的には自力で探すほかはない。

そこで、まず、主な上場企業子会社のPBR(株価純資産倍率)をチェックしてみたところ…。例えば0.4倍台で信越ポリマー(7970)。0.5倍台で青木あすなろ建設(1865)大阪製鉄(5449)日本精線(5659)ベスト電器(8175)。0.6倍台では、トーエネック(1946)伊藤忠食品(2692)東海ゴム(5191)オルガノ(6368)トーメンエレクトロニクス(7558)東洋鋼鈑(5453)コジマ(7513)伊藤忠エネクス(8133)――あたりが浮かび上がってきた。

FTEC(6945) 週足

FTEC(6945) 週足

もっとも、単に割安というだけでは、いまひとつ「候補としての信憑(しんぴょう)性」に欠ける。ここから絞り込むべく、例えば親会社自身のPBRよりも、大幅な低評価に甘んじているものを探すと、信越化学1.53倍に対する、信越ポリ「0.48倍」。新日鉄住金1.03倍に対する大阪鉄「0.57倍」。ビックカメラ1.39倍に対するコジマ「0.61倍」。東ソー1.12倍に対するオルガノ「0.63倍」――などが挙げられる。子会社のPBRとしては、これらより若干高めだが、富士通1.90倍に対する富士通フロンテック(6945・2部)「0.77倍」や、アルプス電気1.64倍に対するアルパイン(6816)「0.78倍」も加えられていい。

PBR1倍割れ子会社の経営統合は親会社の財務にプラスとなる一方、大幅割安子会社は統合比率算定に際して有利な条件設定が期待される。

親会社とのPBR格差で取り上げた6銘柄のうち、オルガノとアルパイン以外は、親会社保有が5割超。中でも特定分野での高い実績と高技術力を備え、業績好調な信越ポリと富士通フロンテックあたりは、親会社の胸先三寸で、いつ完全子会社化に踏み切っても不思議はなさそうだ。

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