話題銘柄をテクニカルで斬る 消費税増税が民間設備投資にも影響なら、頼みの綱は「公共投資」、その行方は如何に

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内閣府が4月10日に発表した2月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比8.8%減の7,696億円と2カ月ぶりに減少した。市場関係者の事前予測は3.0%減であり、それを下回った。前年比では10.8%増だった。製造業は前月比11.9%減、非製造業は同8.4%減と大きな落ち込みである。内閣府は、機械受注の判断を「増加傾向に足踏みが見られる」と前月の「増加傾向にある」から下方修正した。機械受注は、GDP(国内総生産)の主要項目である民間設備投資の先行指標とされている。

1月の受注が前月比13.4%増と大幅増加したため、2月は反動減が出たとみられる。また、消費増税前の駆け込み需要による受注が一段落したことも影響したともみられる。しかし、駆け込みの反動減は、2月ではなく、4月以降に本格化するだろう。1─3月期は、増税後の景気動向が見通しづらいため、投資姿勢が慎重になっていた可能性があり、3月の機械受注は一段と悪化する。内閣府がまとめた1─3月の受注見通しは前期比2.9%減となっていた。

設備投資の先行指標である機械受注の鈍化が、政府見通しと異なり4月以降、鮮明になれば、設備投資は失速する。4月の日銀短観の設備投資計画を見ると、2014年度計画は、大企業全産業で前年度比0.1%増(製造業同3.6%増、非製造業同1.6%減)、中堅企業と中小企業も含む全規模合計の全産業では同4.2%減(製造業同1.2%増、非製造業同6.9%減)となっていた。内閣府・財務省の法人企業景気予測調査(14年1―3月期調査)でも14年度の設備投資(全産業全規模)は、前年度比5.1%減(製造業同2.4%増、非製造業同9.2%減)となっていた。現実は厳しい結果を示唆し始めている。

民間設備投資に、今年度景気のけん引役は期待しづらい情勢か。また、個人消費支出や住宅建設投資も、消費税増税の反動が4月以降に本格化するだろう。残るGDPの主要な構成要素は公共投資しかない。政府の狙いは、4月以降、前年度補正予算の早期執行とともに今年度本予算(公共投資)の前倒し実施で年後半の景気を下支えし、回復軌道に戻し、来年10月の消費税率10%への再増税への道筋を明確にすることである。公共投資は内需拡大に寄与し、ウクライナなど海外情勢や為替変動の影響も受けにくいから安心して投資できる。ただ、財政赤字が続く中、社会インフラ整備に永続性(成長性)を期待できるだろうか。公共投資関連株の動きから考えたい。

対象銘柄は、大手証券が参考銘柄として注目している大成建設(1801)太平洋セメント(5233)に加えて、国土強靭化計画の関連株である不動テトラ(1813)横河ブリッジ(5911)の4銘柄で考察する。株価データは、13年度補正予算審議などで国土強靭(きょうじん)化、復興工事など公共投資増額が議論されていた時期を考慮し、過去半年間の日足ローソク足で分析する。分析ツールとしては、短期線ではなく長期線の75日、200日の株価移動平均線を使用する。結論は、概要、意外にもこれらの株価に「強気」相場の特性は見られず、年初からの下げ相場のボトムを占う段階にあり、その反発力も限定的で、財政出動に対する投資家の期待値は高くないという現実だ。

大成建設(1801) 200日線のベクトルは上向き

1801日足は、昨年11月以降、460円を中心線とするボックス相場。上限は485円、下限は435円であるが、昨年10月の高値515円と2014年2月の安値405円を考慮すると、中心値460円にプラスマイナス60円のワイドレンジのレンジ相場である。4月に入り、2、3、4日と高値は481円で並び、上値の重さを確認、嫌気して反落したが、先週末には、日足が上昇する200日線に安値でタッチした。先週末は陽線であり、下値圏で押し目買いが入ったもよう。3月17日の調整局面でも下値は上昇する200日線で支持されていた。日足続伸の有無にかかわらず450円前後で買い。目標値は481円。

不動テトラ(1813) 調整一巡で反発も過熱感を警戒

1813日足は、財投関連の本命株のように新年度入りを前に動意づいて、急騰、断崖絶壁を駆け上り、3月24日の安値171円を起点にして、4月9日に高値234円を付けた。この間の値上がり幅は63円で、2月4日の安値145円から3月11日の高値194円までの値上がり幅49円よりも大きな波動を形成した。週後半に高値234円から、調整入りも、値上がり幅の3分の1押し水準(213円)の陽線で下げ止まる気配。先の高値194円からの調整相場も3月24日の171円(値上がり幅49円の3分の1押し水準)で下げ止まった。時価買い。仮に半値押しの下落となっても下値は200円。ただし、日足は200日線から大きく上方乖離(かいり)しており、深追いは禁物。目標値は234円。

太平洋セメント(5233) 自律反発も下向く75日線を意識

5233日足は、4月3日の高値383円が3月11日の高値384円に面合わせし下落に転じ、200日線を割り込んだ。4月11日の安値349円は3月3日の安値352円を下回り、その後も75日線が上値抵抗として機能、日足はダブルトップを形成か。ただ、先週末の日足は下値圏で陽線の示現になり、今後、下降する75日線水準まで自律反発する公算もある。続落となっても下値メドは2月4日の安値344円前後である。打診買い。目標値は下向く75日線の先行きを考慮し365円。

横河ブリッジ(5911) チャンネルチャートの下降相場に転機か

5911日足は、2014年1月の高値1592円をピークに上値切り下げ相場に入り、下値も切り下げが続き、下降チャンネルチャートを形成している。先週末、4月11日の安値1,088円は、3月28日の安値1,087円に面合わせし、ダブルボトムを形成する気配。先週末の日足はボトム圏での陽線示現となり、自律反発となっても戻り高値は1,200円と考える。押し目買いの目標値は1,200円。これを上抜くと節目の1,245円が目標だ。

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