話題銘柄をテクニカルで斬る 「防衛装備移転三原則」を閣議決定、「軍事」ではなく「防衛」で動くか関連株

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エイプリルフールではない。政府は4月1日、武器輸出三原則(共産圏、国連の禁輸国、国際紛争当事国かその恐れのある国への武器輸出を禁止、それ以外でも輸出を慎む)に代わる「防衛装備移転三原則」を閣議決定し、武器の輸出を原則禁止してきた従来方針を転換した。新原則では、「国連禁輸国」でなければ、平和貢献や日本の安全保障の強化につながると判断できれば、武器を輸出できるようにする。太平洋戦争の後、米国から航空機の研究・製造が一切禁止され、立ち遅れた航空機など兵器産業には朗報であろう。

現在、国会でもめている集団的自衛権の解釈変更、その行使も視野に入れ中国に対抗、中東から石油を輸送するタンカーが通過するシーレーン(海上交通路)の沿岸国、ベトナム、フィリピン、インドなど中国と軋轢(あつれき)を持つ国に輸出することを念頭にしているようだ。当面は海上の警戒、海難救助などを目的に飛行艇、巡視船などの輸出を検討するだろう。民間レベルではなく、政府が総合商社のように行動して、「広義の社会インフラ輸出」とも言える防衛装備を輸出する「新成長戦略」が6月を待たずに始動する。

日本の防衛産業の市場規模は1兆6,000億円程度だが、中国の軍事産業の市場規模は米国に続く世界2位、先の全人代で「平時の戦闘への備えと国境・領海・領空防衛の管理を強化」を強調、軍拡を続けている。14年の中央国防予算は前年実績比12.2%増の8,082億3,000万元(約13兆4,400億円)と3年連続で2ケタの伸びだ。宇宙開発と合わせGPS(衛星利用測位システム)も自前で構築する中国と比較し、このままでは防衛産業は技術的にも劣後するだろう。

この情勢下、昨年12月に政府が閣議決定した中期防衛力整備計画(平成26年度―30年度)では、今後5年間に購入する自衛隊の装備が決定された。新型輸送機オスプレイ17機、水陸両用車52両、無人偵察機3機、哨戒機23機、戦闘機28機、機動戦闘車99両、護衛艦5隻、潜水艦5隻などで防衛費総額は24兆6,700億円である。

一般社団法人日本防衛装備工業会には、防衛装備品などの製造および修理にかかわる主要企業が加入(正会員135社、賛助会員32社21人、推薦会員8人)している。戦前、ゼロ式戦闘機を製造していた三菱重工業や、一式戦闘機「隼」、四式戦闘機「疾風」などを製造していた富士重工業(旧中島飛行機)などが正会員で、NECや三菱電機もレーダーシステムなどで実績が豊富だろう。これらの企業の決算説明会では、国防上の機密保護である防衛庁向けの売上高の公表はない。ブラックボックスである。

関連企業の株価にどう反映するだろう。日本防衛装備工業会の会員企業から、民生品の売上高が中心の大企業を除外し、豊和工業(6203)石川製作所(6208)新明和工業(7224)日本航空電子(6807)で、「防衛装備移転三原則」の期待度を見たい。

中国マネーを除き、海外投資家はどのように考えるのだろうか。過去2年間の週足、ローソク足と13週移動平均線、RSI(6週)で分析する。

結論は現状、消化難ということ。

豊和工業(6203) ボトム圏からの反発に買い向かい

6203週足は、2012年6月の安値610円から、13年4月の高値1,630円まで上昇し、大天井を形成した。この間に11カ月を要した。その高値から14年3月の安値732円まで12カ月を要した。これで、ほぼ正規分布の完成で、株価の里帰りも完了した。14年に入り下降する13週線が週足の上値を抑えているが、一段高まじかの日柄だ。13週線(802円)超えで買いシグナルが点灯も、先週のRSIは26ポイントとボトム圏を示唆しており、下値不安は乏しく時価買いも。目標値は13年10月の高値940円。

石川製作所(6208) 下値支持線に接近に安心感

6208週足は、2012年7月の安値56円を起点にスタートした上昇相場が、豊和工業と同じく13年4月に一代高値205円を形成して完了。この高値以降の週足は、110円を下値支持線としているが、高値切り下げ相場で、3カ月から4カ月の日柄で高値を形成も14年3月の高値は131円と13年11月の高値143円に及ばず、7月から8月に訪れる高値も120円前後か。4月に入りRSIは64ポイントと過熱ゾーンに接近している。110円の下値支持線への押し目狙い。目標値は121円。

新明和工業(7224) 過熱のピークで見送り

7224週足は、足元のRSIが100ポイントと天井圏を示唆している。時価なら打診売り。2012年6月の安値334円を起点に上昇した相場は、13年5月の高値898円で天井を形成。14年4月は連続陽線で1,000円に接近し、2番天井を形成へ。ただし、上昇する13週線は下値支持線として機能しており、そのベクトルも依然として上向きである。RSI100ポイントに対する日柄調整は短期で終了か。週足のRSIが50ポイントを割れ、かつ13週線(897円)水準にあれば買い。目標値は1,000円。

日本航空電子(6807) 下値支持水準へ接近の打診買い

6807週足は、美しい上り坂のスロープ形成。2012年6月の安値574円を起点に14年1月に1,775円の高値を形成。この間のRSIの動きを見ると12年5月から13年11月までの振幅とそれ以降の振幅は異なり、うねりが大きくなった。RSIは13年11月に25ポイントとボトム入りを示唆した。12月から14年1月までは100ポイントの天井ゾーンを持続しダイナミックな動き。この間、週足は連続陽線で上昇した。この3月に13週線(1,577円)を割り込んだものの、続落とならず十字線を示現し下値固めの動きに転じた。様子見。足元のRSIは、50ポイントと安値からの反発を示しているものの、強弱もちあい相場入り。下値支持水準の1,500円前後で打診買い。目標値は上値抵抗線の1,700円。

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