IPO社長会見 ジャパンディスプレイ 「グローバルな覇者」目指す

IPO 個別 社長会見


大塚周一社長兼CEO

大塚周一社長兼CEO

ジャパンディスプレイ(6740)が3月19日、東証1部に新規上場した。初値は公開価格比14.6%安の769円。その後も下値模索展開が続いている。上場当日の記者会見で同社の大塚周一社長兼CEO(最高経営責任者)=写真=は次のように語った。

3社統合…当社はおととし4月、日立、東芝、ソニーの3社が中小型ディスプレー事業を切り出し、産業革新機構から出資を受けて設立された。それぞれ高技術を持ちながら、規模が小さいため設備投資もままならず、「成長市場を前に何もできない状態」を脱し、グローバル競争を勝ち抜くためだ。よく、「3社統合はうまくいかない」などと言われるが、スピーディーな意思決定によって、能美工場に第5.5世代、茂原工場に第6世代の最先端ラインを作り、古い設備を2つ廃止し、順調な業績拡大をたどっている。当社はディスプレー専業で、最終製品を持たないため、顧客企業と競合せず、安心感をもって取引してもらっている。

グローバル競争力…今3月期末には自己資本比率が50%に達するなど強固な財務基盤を構築できた。技術力については業界内でも一目置かれている。当社の製品はすべてフルカスタムで、コモディティ製品は扱っていない。参入障壁が高く、台湾や中国の企業には追随できない。特に、第5.5、第6世代液晶については先行者利益が大きくなる。これが半導体工場であれば、微細化のために毎年巨額の設備投資が必要になるが、液晶では追加投資が少なくて済み、当社の一番古いラインでもいまだに十分な利益を出している。

追い風強まる…ディスプレー高精彩化の流れがますます強まっている。当社が強みを持つLTPS液晶は、アモルファス液晶などと比べて高精彩であるばかりか、軽量、薄型、低消費電力などの点でも優れている。高価格帯のスマートフォンやタブレット端の市場成熟化を受け、ディスプレー市場の成熟化を指摘する声もあるが、誤りだ。高解像度のものの普及が進むにつれて、先行きミドルエンドのボリュームゾーンにも入っていくことになる。

株主還元…株式上場はあくまでも“通過点”にすぎない。一段と競争力を高め、「グローバルな覇者」となるべく、社員一丸でまい進していく。まずは営業利益率10%乗せを目指す。株主に対しても期待に応えられるよう務めたい。配当など株主還元策も重要だと考えている。現時点ではっきりしたことは言えないが、上場した以上は真摯に検討していきたい。

<記者の目>
市場からの資金吸収額が3,000億円を越える大型上場だけに、軟調発進を受けた見切り売りや戻り売りに株価低迷を強いられているが、各種株価指標面からは割安感も生じつつある。今後を読む上で、配当実施時期の見極めなどもカギとなりそうだ。

戻る