話題銘柄をテクニカルで斬る 今後の市場エネルギーの大きさを大型で知名度抜群の新規公開株の関連銘柄で推し量る

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4月23日に西武ホールディングス(資本金500億円)が上場する。2005年の西武鉄道の上場廃止から9年だ。ベンチャーキャピタルは出口戦略で巨額の売却益を得るだろう。昨年、同社は筆頭株主のサーベラス(06年に西武鉄道に約1,000億円出資)と和解、14年1月15日に東証に上場を申請した。株式市場の地合いを推し量りながら、仮条件が4月7日に決定され、ブックビルディングは8日から11日に行われ、公開価格が14日に決定される予定。主幹事証券はみずほ証券。大株主にはベンチャーキャピタルがずらりと並び、利益確定の出口戦略の売却が警戒される。

公開株数は3月19日に上場したジャパンディスレイ(JDI)に次いで、今年2番目の大きさで大型上場だ。投資家の注目度ナンバーワンと見られていたJDIの初値は公募価格を割り込み、日立マクセルに続いて低調なスタートになった。JDIなどの不人気はウクライナ紛争と重なり、タイミングも良くなかった面もあろう。同業のパナソニック、シャープ、ソニーなどの株価もさえなかったからだ。

電鉄株は、ITバブル相場当時は線路上の電線インフラなどを通信インフラと考えて、IT関連株としてもてはやされた時期もあったが、現実には陸運業、成熟産業である。路線の延伸や複線、複々線化する余地もほとんどなく、限られた区間の沿線開発以外に成長因子は見当たらない。西武ホールディングスは、どのような株価形成になるであろうか。サーベラスは1株2,000円前後の公開価格を望んでいるという。西武ホールディングスは西武鉄道、伊豆箱根鉄道、近江鉄道、西部バス、プリンスホテル、埼玉西武ライオンズ、豊島園などの持ち株会社で、既に上場に合わせたように、同社は株主優待券のサービス対象をグループ主要企業に広げ、以前の西武鉄道以上に個人投資家に配慮した内容にした。だが、同社に限らず、電鉄株の株主優待券を利用しやすい株主は、主に鉄道沿線の居住者と思われ、海外投資家には意味が薄く優待券人気も限定されよう。

一方、同社は20年東京オリンピックの関連株である。オリンピックフィーバーは一巡したようだが、株式市場全体に影響を与える可能性のある同社の株価人気を、関東圏の電鉄株などから考えたい。東京スカイツリー、日光の東武鉄道(9001)、「渋谷109」、箱根ロマンスカーの小田急電鉄(9007)で分析し、公益株の株式運用ポートフォリオに占めるウエイトは変えようもないと考え、西武ホールディングスを電鉄ではない陸運株や電力・ガス株との銘柄入れ替えも想定、その観点から、陸運大手の日本通運(9062)と都市ガス最大手の東京ガス(9531)でも見たい。主要企業の配当など株主権利落ちの4月相場であり、株価(日足)は14年3月末の配当など株主権利落ちの影響を受けるが、容赦願いたい。

分析ツールはラインチャート(権利落ち修正済み)で、サーベラスとの和解が昨年なので過去1年間の株価と25日移動平均線(以下25日線)とのプラス・マイナス乖離(かいり)率が3%と6%のエンベロープチャートを用いる。結論は、電鉄株は弱く、様子見気分、そのほかの銘柄も押し目狙いと西武ホールディングスの市場人気は、類似企業や類似業種に波及するようには見えず、現状あまり強くないようだ。足元のウクライナ情勢が株式市場全体に反映されている公算がある。この市場環境下、コンプライアンス重視の公開前で難しいものの、今後の同社のプロモーションに注目したい。

東武鉄道(9001) 打診買いも値幅妙味薄い

クリックで拡大 東武鉄道(9001)日足は、昨年末まで上下の振幅が縮小傾向にあったが、2014年に入り再び拡大する兆し。14年2月に13年6月の安値462円を下回る456円の昨年来安値を付けて底打ち。この安値456円は13年5月以来、マイナス6%乖離を割り込み底打ちのシグナルを発信、即座に日足はプラス3%乖離まで反発もそこで頭打ちで再度、マイナス3%乖離まで下落。3月に入り25日線のベクトルは下向きに転じ、弱気シグナル点灯もマイナス3%乖離水準で打診買い。ただ、目標値はプラス3%乖離水準の501円と投資妙味薄い。

小田急電鉄(9007) 底入れ近しの押し目狙い

クリックで拡大 小田急電鉄(9007)日足は、2014年3月に昨年来安値を更新し、マイナス6%乖離を割り込んだ。これは13年5月以来となり、上昇エネルギーの弱さを示している。昨年7月以降の高値・安値の下落幅を見ると7月高値1,029円から8月安値897円までの132円から順次、下落幅は98円、105円、87円と推移、100円前後の下落である。今回の2月高値930円からの下げ相場は、840円割れを押し目買い。目標値は、安値からの反騰がプラス3%乖離水準で頭打ちとなる傾向から、プラス3%乖離水準の920円

日本通運(9062) 値幅振幅は縮小の兆しで押し目待ち

クリックで拡大 日本通運(9062)日足は、大きなうねりの分かりやすい形状で、基本的に480円を中心線とした往来相場、ボックス相場である。2014年2月にマイナス3%乖離を大きく割り込み、2番底の安値436円を付け、底入れ。その後、反騰に入り、3月13日にプラス3%乖離を突破、高値492円を付け、再び反落も日足は、25日線水準で下げ止まり、反発。25日線のベクトルは上向きも、日足の振幅は14年に入り小刻みに転じており、押し目買い。目標値は、プラス乖離6%水準の510円。

東京ガス(9531) 2カ月リズムの押し目待ち

クリックで拡大 日本通運(9062)日足は、2013年12月までは上下の振幅が収束する動きを見せていたが、14年に入り再び拡大の兆し。14年2月の安値470円がマイナス6%乖離を大きく割り込み、13年5月以来の深押しを示した。その後の反騰は逆で、日足は3月にプラス6%乖離を13年7月以来、上回り上昇、14年1月の高値529円を上抜いた。直近、25日線のベクトルは一段高を示している。また、チャートの高値は13年5月、7月、9月、11月、14年1月、3月と2カ月リズムで形成されている。次の高値は14年5月であり、4月は反落の公算もある。見送り。マイナス3%乖離で買い。目標値はプラス6%乖離水準の536円。

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