IPO社長会見 日立マクセル(6810) BtoB業態に“変身”

IPO 個別 社長会見


千歳喜弘社長

千歳喜弘社長

日立マクセル(6810)が3月18日、東証1部に新規上場した。初値は公開価格比4.8%安の1,971円。一時1,762円となる場面もあったが、その後は出直り歩調に転じている。上場当日の記者会見で同社の千歳喜弘社長(写真)は次のように語った。

企業返信…4年ぶりの再上場となるが、この間に事業ポートフォリオ入れ替えを進め、BtoC(消費者向け)からBtoB(企業間取引)へと企業の中身が大きく変わってきた。株価は市場が決めることではあるが、初値が公開価格を割り込んだ背景には、こうした企業の変化について、説明不足だった部分もあるかも知れない。高い評価を頂けるよう、社員一同事業にまい進する一方、IR活動などで理解を深めるよう務めていきたい。

高い技術力に強み…エネルギー、産業用部材、電器・コンシューマーの3つの事業セグメントで展開し、それぞれ成長事業として、自動車向け、住生活・インフラ向け、健康・理美容向けに力を注いでいる。中でも、特に成長をけん引していくとみられるのが自動車分野だ。原材料から差別化する視点で、各種ユニーク技術を開発してきたが、中でも、タイヤパンクセンサーに用いるTPMS用バッテリーでは6割以上の世界シェアを握る。同センサーは米欧でタイヤ内の装備が法制化され、今後、中国も続く可能性がある。世界の自動車販売は年間約7,000万台(米国1,500万台)。1台に4つ使われるだけに拡大余地は大きい。一眼レフ技術を駆使した車載用バックカメラレンズの成長にも期待。

中期目標…そう遠くない時期に、売上高2,000億円(今3月期予想1,560億円)、営業利益率6―7%(同4.7%)を達成したい。資本効率を高め、ROE(自己資本利益率)8%乗せも目標だ。株式売り出しによって、日立の持ち株比率は33.33%に低下し、現状では特別決議の拒否権は生じない。今後、自社株買いを行う際は、この比率を上回らないよう、注意深く実施していく。M&A(企業合併・買収)も積極的に行っていきたい。200億―300億円の手元資金を越える場合は、増資をお願いすることになる。

<記者の目>
新味のない再上場案件と見なされ、軟調スタートを強いられた後は、24日まで着実に水準を切り上げ、押し幅半値戻し(1,871円)もクリアした。PER14倍台、PBR(株価純資産倍率)0.7倍台には割安感もあり、電池事業の有望性などに目が向かえば、ひとまず公開価格2,070円を目指す展開も想定されよう。

戻る