トップインタビュー レオパレス21 代表取締役社長 深山英世氏 賃貸事業の入居率高水準

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景気回復追い風、業績拡大 シルバー事業の展開進める

 

深山英世氏

深山英世氏

レオパレス21(8848)は、単身者向けアパートを建築する建築請負事業、建築後のアパートを運営する賃貸事業の2つをコア事業とする不動産会社。管理するアパートは約55万戸に達する。リーマンショック後は賃貸事業を主軸としたビジネスモデルへの転換を図ったことで収益は急回復を見せ、新たな成長ステージ入りが鮮明になっている。代表取締役社長の深山英世氏に今後の戦略を聞いた。

――賃貸事業で入居率が上昇していますね。

「景気回復の影響が当社ビジネスにも波及してきた。企業収益の回復で、社員の採用、転勤が増えている。法人契約比率が約50%と高い当社にとってそうした需要の増加は入居率上昇につながっている。また、地方の家庭で子供を進学させる場合、景気の先行きに明るさが見えれば地元の学校ではなく東京の学校を選ぶケースが増えるだろう」

「入居率は2014年3月期は年間の平均で85%(13年3月期は82・9%)に乗せる見通し。リーマンショック後の11年3月期には80%前後まで低下していた。入居率の1ポイントの上昇は30億円の利益改善につながる。景気回復に加え、セキュリティシステムなどの物件価値向上施策、法人営業の積極化などで、入居率をいかに引き上げるかに取り組んできた成果が出ている」

――先行きの事業環境をどう見ますか。

「環境は明るい。総世帯数は減少をたどる見通しだが、当社のターゲットである単身者世帯数は2030年まで増加をたどるという予測がある。企業が社員向け住宅をアウトソース(外部委託)するという流れもある。そして、2020年の東京オリンピック開催は大きなプラス材料だ。工事関係者の大量の住宅が必要になり、とくに施設工事の集中する湾岸地区では賃貸住宅の不足、家賃の上昇が起こるだろう」

――中期経営計画についてお聞かせください。

「進行中の3カ年計画を立てたのは2年前で政権交代も含めて環境が大きく変わった。ローリングさせて15年3月期から新たな中期計画をスタートさせる。収益を安定させるためストック型ビジネスモデルの構築を進めるが、アパートの戸数は現在の約55万戸を3大都市圏中心に増やす。建築請負事業では高齢者施設、店舗などアパート以外の事業用建物の建築請負を開始している。地主の持つ土地の有効活用の提案についてバリエーションを増やしていく」

「太陽光発電システムについては、オーナーが太陽光パネルを設置する方式のほか、発電事業主体がオーナーから屋根を借りて太陽光パネルを設置する『屋根借り太陽光発電事業』を全国で展開している。後者は発電事業主体をSPC、事業法人、当社発電事業子会社とする様々なスキームを用意する」

――新規事業について教えてください。

「シルバー事業については現在、関東1都6県で61カ所の介護施設『あずみ苑』を運営しており、施設の稼動は順調に推移している。オペレーション不足もあってここ数年は新設を中断していたが、来期から本格的に展開を始める」

「日本で培ったノウハウを基に海外で賃貸事業を展開している。韓国、台湾で日本人や日系企業向けの現地不動産仲介業を開始している。タイ、ベトナムに進出して昨年12月から営業を開始したほか、韓国で現地企業と合弁会社『ウリレオPMC』を設立、賃貸管理事業に参入した。海外での展開を加速させる方針だ」

――株主および個人投資家へのメッセージをお願いします。

「外的環境に左右されない経営にする事業構造改革を実行し、ストック事業の賃貸事業が全売上の84%を占めるようになった。これにより、安定的に収益を上げる経営基盤が確立された。事業活動を通じて堅固な財務基盤を築くと共に、次の中期経営計画では株主還元(復配)を優先課題として取り組む」

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