企業研究 アンジェスMG コラテジェンの国際共同試験が最終段階へ

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米国の市場規模50億ドルの試算も 政策支援で国内開発にも追い風

アンジェスMG(4563・東マ)が飛躍に向けた大きな転換点に差し掛かっている。

アンジェスMG(4563)  日足

アンジェスMG(4563)  日足

同社はこのほど、HGF遺伝子治療薬「コラテジェン」(重症虚血肢治療剤)のグローバル第3相臨床試験を今12月期の第2四半期(4-6月)に開始すると発表した。米国から開始し、その後、欧州・南米へ拡大する予定だ。重症虚血肢を対象としたコラテジェンは、同社が設立以来、開発を手掛けてきた主力開発品であり、今後の成長の柱に位置付けられているもの。

今回のグローバル第3相臨床試験の実施は、同社のビジョンである「遺伝子医薬のグローバルイノベーター」を目指した事業展開においても、大きな意味を持つ。

重症虚血肢とは、重症の閉鎖性動脈硬化症で下肢切断を余儀なくされることもある重篤な病態。既存療法(バルーン療法など血管内治療、外科的バイパス手術)に適応されない患者には有効な治療選択肢がないのが実情だ。この分野でコラテジェンは、「新たな血管の再生による血流の回復を促す」外科的手術を伴わない治療法として期待され、シェア獲得を目指している。米国での市場規模は会社側推定で50億米ドル(5,050億円)ともされ、実用化されれば、超大型商品となり得る。

一方、国内においても、再生医療の実用化に向けた「薬事法改正案」と「再生医療安全性確保法案」が2013年11月に国会で可決・成立。今14年秋から施行される予定。これにより、条件付承認制度による遺伝子治療薬を含む、再生医療製品の早期の実用化が可能になるなど、強い追い風が吹いていることから、国内でも開発再開に向けた準備に着手する意向だ。

この重症虚血肢を適応症とするコラテジェンについては、国内は第一三共(4568)、米国では田辺三菱製薬(4508)と提携している。

また、もう1つのコラテジェンの開発状況としては、国内で「リンパ浮腫」を対象疾患とした研究開発も進行中。これは、リンパ浮腫モデル動物を用いて、投与局所においてリンパ管を新生し、リンパ浮腫の改善効果が示された。リンパ浮腫とは、リンパ管の障害により、リンパ流が停滞し発生する浮腫。原発性患者は日本で約3,000人、2次性患者は約10万人と推定される。発生率は子宮がん術後で28%、乳がん術後でも21%。加齢による患者数も増えている。根治療法がないことから、コラテジェンが新規の治療薬となる可能性もある。

実際、この研究にはNEDO(独立行政法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構)から「平成24年度のイノベーション実用化ベンチャー支援事業」に採択されており、助成対象期間(平成25年4月-平成26年2月)に計上される費用の3分の2に相当する金額を助成金として受領する予定だ。

なお、今12月期業績予想については、事業収益として、ムコ多糖症治療薬「ナグラザイム」の販売増や提携企業からの契約一時金の計上などから、7億5,000万-8億5,000万円(前期実績4億9,100万円)を見込むものの、利益面では大型のコラテジェンプロジェクトが最終段階に差し掛かることで研究開発費が膨らむ。営業損益は24億-26億円の赤字(同13億6,300万円の赤字)、当期純損益でも24億-26億円の赤字(同14億900万円の赤字)を予定している。

開発資金については、夢真ホールディングス(2362・JQ)などを割当先とした第三者割当増資で3.7億円、メリルリンチ日本証券を割当先とした新株予約権の発行で約19.8億円を調達済みだ。

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