取材の現場 舛添都知事が打ち出す「多摩重視の政策」

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スーパーのいなげや、エコスに商機 米軍横田基地の軍民共用化も焦点に

東京都で舛添要一知事体制がスタートした。「誰がなっても同じ」とも揶揄(やゆ)されるが、前都政と大きく異なるのは、多摩地区政策だろう。

都知事選では福祉の充実を各候補が強調していたが、多摩地区の高齢化はハンパではない。東京五輪が開催される2020年に多摩地区の75歳以上人口は、全国平均の2倍に膨れ上がると推計されている。舛添知事は、この対策に取り組まねばならない。

「舛添知事が多摩重視の政策を打ち出すのは既定路線だ。舛添氏は、東京都市長会会長を務める竹内俊夫青梅市長に協力を仰ぎ、都下の票固めを行った。そのご恩返しで、多摩地区対策を強化しなければならない」(都庁幹部)

石原都政以降、東京都の多摩政策はほったらかしで、都市長会は不満をためていたこともあり、両者の利害が一致したというわけだ。舛添知事は早速、多摩担当の副知事を任命した。

いなげや(8182) 週足

いなげや(8182) 週足

多摩地区で高齢者対策を行えば、多摩を地盤とするいなげや(8182)エコス(7520)といったスーパーには商機となるだろう。住宅開発を進めるのならマンション・ディベロッパーのランド(8918)や不動産業のロジコム(8938・JQ)にとってもチャンスだ。

多摩地区の大型開発としては、多摩南北道路計画もある。しかし、それ以上にインパクトがあるのは、米軍横田基地の軍民共用化ではないか。

国交省の試算によれば、羽田と成田の空港需要は22年に限界に達する。恐らく20年の東京五輪の際には一時的に海外からの観光客が増えると考えられ、瞬間的に羽田・成田がパンクする可能性もささやかれている。そこで、この問題を解消すべく、横田基地の軍民共用化を図り、東京の空港需要問題を解消させるのではないか、という観測も出ている。五輪をテコに、米軍に一部開放を求めるというわけだ。

横田に民間機の空港ができれば、多摩地区にもお金が落ちる。これこそ、究極の多摩支援策ではないか。そうなれば、横田基地の近隣に広大な土地を持つ昭和飛行機工業(7404・2部)があらためて注目されるだろう。

ただ、1つの大きなネックがあった。「五輪招致計画で東京都は、空港機能は問題ないとIOC(国際オリンピック委員会)に提出しており、IOCから能力は十分と評価をいただいている」(東京都スポーツ振興局)。

あまりに空港パンクをアピールすると、公約違反に問われかねない。この点、どのようにつじつまを合わせるか、舛添知事の手腕が問われるところだ。

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