クラウドファンディング マッチング事業に熱視線 

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不特定多数の個人から小口の資金を募る「クラウドファンディング」への注目度が高まっている。「Crowd=群集」と「Funding=資金調達」を組み合わせた造語で、ソーシャルファンディングとも呼ばれている。お金を集めたい企業や個人が仲介業者のサイトで事業紹介するとともに目標調達額を設定し、それに興味を持った個人がお金を出す手法が一般的。

クラウドファンディングは、(1)見返りを求めない「寄付型」、(2)対価として商品などを渡す「購入型」、(3)「貸付型」、(4)「投資型」――と4つにタイプが分かれる。今のところ「寄付型」「購入型」が多いが、「貸付型」では2007年設立でローン実績144億円を誇るmaneo(東京都港区)、「投資型」ならミュージックセキュリティーズ(東京都千代田区)といった企業が扱っている。

政府が策定した「日本再興戦略」で現在4%前後の開業率を10%台に引き上げることが明記され、その方法の1つとして新規・成長企業へのリスクマネー供給促進に向けて「クラウドファンディング」の活用が掲げられた。これをきっかけに資金需要者と資金供給者のマッチング事業に乗り出す企業も増加。

例えば、サイバーエージ(4751・東マ)の100%子会社「サイバーエージェント・クラウドファンディング」は昨年8月に資金需要者と資金提供者をマッチングするサイト「Makuake(マクアケ)」をオープン。現在、“購入型”モデルを展開している。早くも60件以上の案件が走っており、昨年8月からの総額募集金額は1億円。

特に「映画」プロジェクトは、資金提供者へのチケット贈呈、エンドロールへの氏名掲載、舞台あいさつでの出演者への花束贈呈といった“体験型・参加型対価”が好評で成功率100%(目標調達額をクリア)。「日本のクラウドファンディングはまだまだこれからという状況だが、やり方次第で日本でも普及するとみている。多数の会員を抱える『アメーバ』などからの誘導にも取り組み、発展させていきたい。また、金商法改正(インターネットを使った未上場株への投資勧誘を解禁し、1人当たり50万円を上限に投資できるよう法整備される見通し)後、企業出資やプロジェクト出資など『投資型』にも取り組みたい」(サイバーエージェント・クラウディング)という。

なお、集まった金額のうち、仲介事業者が手数料として15%を得て、決済代行手数料5%を差し引いた、残りの80%が資金需要家に入るのが一般的とされる。

このほか、ヤフー(4689)は社会貢献活動の一環で、オリンピック出場を目指す日本を代表するアスリートの活動をクラウドファンディングによって資金面で支えるプロジェクトにも参画した実績を持つ。

前出のミュージックセキュリティーズには、ユナイテッド(2497・東マ)の子会社「ベンチャーユナイテッド」が運用するファンドが出資している。ユナイテッドはネット黎明期からベンチャー投資実績豊富なネットエイジを前身企業の1つとする。「ファンドによる出資は5年前。当時からクラウドファンディングを成長市場ととらえ出資した」(ベンチャーユナイテッド)。ミュージックセキュリティーズも近い将来のIPO(新規上場)候補といわれている。

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