電力小売り全面自由化へ エナリスなど注目度上昇

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■電力システム改革進展

政府は28日、「電気の小売業への参入の全面自由化」を実施するために必要な措置を定める電気事業法改正案を閣議決定した。

電力システム改革第1弾改正は、(1)広域的運営推進機関の創設、(2)電気小売業への参入全面自由化、(3)送配電部門の法的分離、小売料金の全面自由化――の3段階に分かれ、第1段階の「広域的運営推進機関の創設」は昨年11月13日に成立(実施メドは2015年)。今国会には第2段階の「電気小売業への参入全面自由化」が提出され、2016年をメドに実施される。ちなみに、第3段階の法案は来年の通常国会に提出され、2018―2020年をメドに実施される見通し。

■どの市場が拡大するか

それでは「小売り参入全面自由化」で何がどう変わるのか、どのようなビジネスが広がっていくのか。

既に自由化されている工場やオフィス向けに加え、これまで大手電力会社が独占的に電気を供給していた一般家庭(契約数7678万件)と商店・事業所等(同742万件)の全国8420万件、市場規模にして7.5兆円が開放されることになる。

東光高岳HD(6617) 週足

東光高岳HD(6617) 週足

小売り自由化によって「出身地の電力会社から電気を買う」「今より安い電力会社に乗り換える」など一般家庭も電力会社の選択が可能になり、電力会社間の競争促進により多様な料金メニューが誕生。電気販売と携帯電話、家電、通信、電気自動車等を組み合わせた「セット割引」といったサービス誕生も読まれる。

また、再生可能エネルギーなども活用し、“電気を賢く使いたい”と考える家庭も増えるとみられ、(1)再生可能エネルギーや分散型エネルギーへの新たな投資、(2)地産地消による新しいエネルギービジネス(スマートコミュニティなど)、(3)スマートメーターなどの関連投資――などが起こるとみられている。

■注目銘柄

これらを踏まえると、電力需給管理技術を持ち、“電力自由化”を商機とするエナリス(6079・東マ)への関心がますます高まっていく公算大。同社と事業連携関係にある省電舎(1711・東マ)も市場求心力を保とう。

長府製作所(5946) 週足

長府製作所(5946) 週足

このほか、電力使用量がリアルタイムで把握でき、電力使用時間に応じた課金が可能となる「スマートメーター」を製造する東光高岳HD(6617)大崎電気工業(6644)、電力変換装置パワコンのダイヘン(6622)、家庭用燃料電池(エネファーム)関連の長府製作所(5946)をマークしたい。

小売事業と発電事業の全面自由化は新たな事業参入者を呼び込むこと必至。LNG(液化天然ガス)、石炭火力などを利用した発電事業者の新規参入も読まれる。既に日本製紙(3863)など全面自由化をにらみ火力発電所の建設計画を持つ企業も出ている。高効率火力発電技術を持つ日立(6501)や、三菱重工(7011)、石炭ガス化複合発電プラントも手掛ける日揮(1963)なども自由化メリット享受株に挙げられる。

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