IPO社長会見 アキュセラ・インク(4589) ドライ型加齢黄斑変性の飲み薬 市場規模8兆円

IPO 個別 社長会見


窪田良会長

窪田良会長

眼科領域に特化した創薬バイオベンチャー、アキュセラ・インク(4589)が2月13日、マザーズに新規上場した。同社は米シアトルに本社を構え、マザーズへの米国企業の単独上場第1号となる。初値は公開価格を27%上回る2,300円。上場当日の記者会見で同社の窪田良会長、社長兼最高経営責任者=写真=は次のように語った。

眼科疾患に特化する理由…慶應義塾を卒業し眼科医として勤務する中で、有効な治療薬がないことが多いと感じて研究。緑内障の原因遺伝子発見をきっかけに米ワシントン大学に呼ばれ起業した。こうした経緯から、米国に本社を置き、眼科領域の治療薬開発に特化している。

キーは「飲み薬」…目の治療薬といえば、まず目薬が思い浮かぶだろうが、目の奥にある「網膜」には目薬が到達しない。このため、網膜疾患の治療には注射が用いられているが、目への注射はなかなかハードルが高い。こうした中、当社は“飲み薬”タイプの網膜疾患治療薬を開発している。

「ドライ型加齢黄斑変性」治療薬…開発が最も進んでいるのが「ドライ型加齢黄斑変性」治療薬。現在、治験最終段階にある。飲み薬のため、通常の倍のペースで被験者が集まっている。FDA(米食品医薬品局)が認める初のドライ型加齢黄斑変性治療薬になろう。

市場規模…加齢黄斑変性はドライ型とウエット型に分かれ、世界全体で患者数1億3,000万人。飲み薬の特性や患者数比率などを踏まえると、開発中のドライ型治療薬の市場規模は、ウエット型治療薬(8,000億円)の10倍と考えられる。将来的には、糖尿病患者の半数(世界1億8,000万人)が患い、現在薬がない、「糖尿病性網膜症」の治療薬も開発したい。

調達資金の使途…われわれは研究、開発、販売まで自社で行い、「自分たちの運命を自分たちでコントロールできる会社」を目指している。上場に伴い調達した資金は、そのための体制整備、開発加速、ゼロからイチを生み出す基礎研究などに充てる。患者に最適な治療薬を開発し、一日も早く世の中の役に立つよう引き続き努力していく。株主にも果実をシェアしてもらえたら、応援してもらえたらと思っている。

ヘリオスなどが開発しているiPS細胞由来の加齢黄斑変性治療と競合しない…われわれの加齢黄斑変性治療薬は、疾患の進行を抑制し、初期段階での治療を目指すもの。一方、iPS細胞などを活用した再生医療は薬等で治らない人が利用することになる。このため全く競合しない。両者のすみ分けは可能とみている。

<記者の目>
グローバルで活躍するバイオベンチャーとなる素地十分。国内外の機関投資家資金を呼び込む可能性がある銘柄といわれている。開発薬の市場規模などを勘案し、いずれ時価総額1,000億円を超えるとの呼び声も。なお、加齢黄斑変性はドライ型とウエット型(患者数比率は9対1)に分かれ、ドライ型を10年以上患うとウエット型に移行する。ウエット型は注射剤タイプの治療薬が発売されているが、患者数が圧倒的に多いドライ型は治療薬が世の中になく、同社の開発案件はFDA(米食品医薬品局)に申請すると優先的に審査が行われる「ファストトラック」に指定されている。

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