Mr.009の新興市場 底堅いデリカフーズと泉州電業

個別


中小型株への換金売り波及を警戒

中小型株市場は外部環境の先行き不透明感が燻る中で、引き続き、神経質な展開となりそうだ。新興国リスクを背景とした世界的な株安や円高進行など、外部環境に落ち着きが見られない中では中長期資金の流入は見込みづらい。また、個人投資家の取引比率が高いソフトバンク(9984)の急落を受けて、新興市場の中小型株にも換金売りが波及することが想定されるほか、信用取引の追証の発生も懸念されるところ。

今回はそのような中でも底堅い動きを続けているデリカフーズ(3392・2部)泉州電業(9824・2部)を紹介したい。

デリカフーズ(3392) 週足

デリカフーズ(3392) 週足

デリカフーズ(3392)は、外食・中食業界向けにカット野菜、ホール野菜を卸す、いわゆる「業務用の八百屋」で国内最大手。「抗酸化力」など野菜の機能性に着目した研究開発を行い、顧客にメニュー提案を行う付加価値創造型企業でもある。

同社は2013年7月、東京に最新鋭工場となる東京第二FSセンターを稼働させた。同センターは国内でも先進的な取組みとなるスーパーコールドチェーン(1-4℃帯での完全温度管理)を実現した工場で、生産ラインの自動化も進めながら、鮮度保持の大幅強化を実現している。顧客からの評価も高く、同社の想定を上回るペースで受注が拡大している状況だ。

14年3月期の第2四半期(4-9月)累計連結業績は、新センター稼働に伴う立ち上げ負担増によって、営業利益で前年同期比19.3%減と減益となったものの、期初計画比では売上高、利益とも上回り順調に推移したと言える。通期業績に関しても、好調な受注を背景に売上高は期初計画を上回る公算が大きい。

先進的な物流機能や野菜の機能性に着目したメニュー提案力など、外食業界を中心に同社への評価は年々高まっており、今後も業績は拡大基調が続く見通しだ。安倍政権下で進める農業成長戦略も、同社にとっては追い風となる。農業経営の大規模化進展によって、物流分野でも大手企業の寡占化が進む可能性があるためだ。

また、競争力の高い農産物をアピールするツールとして、同社の野菜評価基準「デリカスコア」が注目を浴びる可能性もある。「デリカスコア」とは野菜の健康診断書のようなもので、機能性(抗酸化力)や鮮度などを計測し、数値化したもの。従来は「外見」が重要視されてきた野菜も、今後は「中身」もより重要視される時代が到来する。国民の健康増進によって医療費抑制を進める国の政策に対して、間接的にサポートする役割を果たすことにもつながり、同社の活躍余地は今後一段と高まっていくことが予想される。

泉州電業(9824) 週足

泉州電業(9824) 週足

泉州電業(9824)は、電線の総合専門商社で独立系では国内トップ。仕入先は約200社、アイテム数は約2万点に上り、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というデリバリー体制に強み。自社開発のオリジナル商品で差別化を図る。

14年10月期の通期の連結業績は、売上高で前期比2.2%増、営業利益で同17.1%増を見込む。後ずれしていた電機業界向けや自動車業界向けの設備投資が国内外で動き始めるとみられることに加え、電力用や汎用も引き続き好調に推移すると予想されることから、増収、増益が見込まれている。

同社では付加価値の高いオリジナル商品の開発強化と、現在売上高の5%程度にとどまっている海外向け売上高比率を、中期的には30%にまで引き上げることで業績のさらなる拡大を目指している。

現在の時価総額は144億円程度とネットキャッシュ(現預金+有価証券-有利子負債)をやや上回る水準であり、解散価値を示すPBR(株価純資産倍率)では0.4倍の水準となっている。財務体質は良好であり、配当金や株主優待制度(1,000円分の図書カード)を合わせた総利回りは3.1%と相対的に高い水準にあると言える。

今後、さらなる増配や自社株買いなどの資本効率の向上に向けた取り組みなどを進めていけば、同社株の魅力度はさらにアップするものと思われる。

戻る