話題銘柄をテクニカルで斬る 「たかがゲーム、されどゲーム」ゲーム関連株に世界景気、個人消費の余裕度を見たい!

テクニカル 個別


新年に入って、多くの市場関係者の強気予想は的外れとなり、株式市場全体がさえない中、エイチームやコロプラなどゲーム関連の株価が元気だ。コロプラは東証マザーズ上場だが、1日の売買代金は、ケタ違いに増加して東証1部銘柄を凌ぎ、売買代金トップの大商いを続けている。一般論として新興市場は、海外投資家は当然として、国内の機関投資家や証券会社の株式ディラーの投資対象外の市場であるから、驚きだ。株価は大納会の2,960円が1月24日には4,110円と急騰した。個人投資家の人気の強さを物語っている。同社は2011年9月にスマートフォン(スマホ)専用のゲーム配信事業に参入、その後急成長を続けている。また、ゲームとリアル店舗を連動したO2O(オンライン to オフライン)ビジネスモデルが高く、個人投資家に評価されているようだ。

他方、任天堂の株価が先週、暴落した。2月7日からソチ冬季オリンピック、6月12日から世界最大のスポーツイベント、サッカーのワールドカップがブラジルで開催と本来ならお祭り気分で、観戦ツアーや関連グッズの販売など個人消費が増えて、世界中でゲーム機、ゲームソフトが売れても不思議のない14年。だが、いきなり専業最大手の任天堂が今期業績を下方修正である。本来、ゲームは娯楽であり、不要不急の支出である。景気が悪く、収入が増えなければ売れない商品だ。1月に入り、国際通貨基金(IMF)が14年世界経済見通しを上方修正したのとは「真逆」の動きである。

アメリカの景気回復で昨年のクリスマス商戦は好調、新製品を投入した据え置き型家庭用ゲーム、マイクロソフトの「X―box」やソニーの「PS4」の販売が好調と伝えられ、漁夫の利で任天堂の「DS」「Wii」も売れていると考えたが、事実は異なったようだ。現時点で単にゲームメーカー同士の市場シェア変動か、市場規模自体の縮小かは判然としない。スマホにポータブル(携帯)ゲーム機市場は奪われたが、家庭用の据え置き型ゲーム機の醍醐味(だいごみ)はスマホのゲームでは味わえない。米国で映画にもなった「スーパーマリオ」や「ポケモン」「ピカチュー」の根強い人気キャラクターを持つ任天堂の据え置き型ゲーム機の販売不振は予想外だ。

世界の景気は本当に改善したのだろうか。足元、アルゼンチンや中国など新興国の景気減速が明らかになった。ゲーム関連株の動きから世界経済を考察したい。分析対象は、市場の話題性の高さも考慮、スマホゲームに強いコロプラ(3668・東マ)、昨年、株価が大化けしたガンホーオンラインエンターテイメント(3765・JQ)、ゲーム専用機のソニー(6758)任天堂(7974)にした。世界のゲーム市場を見るのに十分だろう。若い世代がヘビーユーザー、移り気の多い業界の分析に長期のデータは不要。分析ツールは過去1年の株価のトレンドが見やすいラインチャートと75日移動平均線、出来高を使用する。大幅株式分割の実施もあり、週足チャートの株価連続性を保つため、権利落ち修正後の週足を使用する。そのため、当然だが大幅株式分割の実施により、銘柄により出来高の棒グラフは、権利落ち前の値が小さくなり、紙面では描けないのを了承願いたい。結論は、各銘柄の方向性がマチマチで、世界経済の先行き不透明ということだ。

コロプラ(3668) 上昇エネルギーは膨大、時価買い

3668週足は、分かりやすいチャート入門者向けの3段上げ上昇相場。現在、その3段目の上昇相場の途上にある。1段目は2,013年4月8日の安値380円から5月14日の高値2,730円まで上昇幅2,350円、日柄は約1カ月。2段目は8月12日の安値977円から10月9日の高値3,215円までで上昇幅2,238円、日柄は約2カ月。3段目が11月25日の安値2,418円からスタート。2,418円に2回の上昇幅平均を2,300円として加算すると3段目の高値目標値は4,718円。日柄は2カ月を経過したが、出来高は過去になく増加の大商いで先高のエネルギーは十分だ。75日線のベクトルも上向き継続、時価買い。

ガンホー(3765) ボックス下限接近でチャンス到来

3765週足も、株価チャート分析の教科書に向いている。1月の安値113円から5月の高値1,550円まで、株価15倍の値上がりで大噴火を示現、上昇幅は1,437円だ。この火山活動のエネルギーが小康状態に向かい、2014年に入り700円前後でもんでいる。すなわち上限830円、下限590円のレンジ相場に突入した。上限は上昇幅1,437円の半値押し水準であり、下限は同3分の2押し水準である。出来高は人気離散で減少傾向にあり、75日線のベクトルもフラットだ。マグマの蓄積が進んでいる。600円接近の押し目買い。目標値は1,000円。

ソニー(6758) 長期下降相場の様相で見送り

6758週足は2013年5月、7月の高値でダブルトップを形成、これで下げ相場入りを明確に示し、14年に入っても値下がり、長期下降相場の形成中だ。75日線のベクトルも下向きで一段安を示している。14年1月の高値1,894円(週足ベース)が12月3日の高値1,910円を超えられず75日線水準で頭打ちになり反落と弱気を示し、出来高は減少と上昇エネルギーの弱さを示している。11月の安値1,641円が下値メドだが、これを割り込むと4月安値1,559円が視野に入る。見送り、売却。

任天堂(7974) 下値模索の日柄調整と割り切り見送り

7974週足は、3段上げの下値切り上げ上昇相場を形成、意外にも同業のソニーとは対象的であり、コロプラのチャートと似ている。1段目は2月の安値8,440円から4月の高値1万2,030円まで上昇幅3,590円。2段目は6月の安値9,340円から7月の高値1万4,050円まで上昇幅4,710円。3段目はチャートの定石で大幅高を示現。9月の安値1万760円から2014年1月の高値1万6,080円まで暴騰、上昇幅は5,320円と1段目、2段目を凌ぐ値上がりだ。足元は、当然の反落の調整入り。1段目、2段目の調整局面では週足は、上昇する75日線を割り込み、75日線から1,000円ほど値下がりし下げ止まった。足元の75日線は1万2,768円だから、下値メドは1万2,000円。押し目待ちで見送り。上昇相場の4段目の有無は今後の75日線のベクトルで確認したい。

戻る