話題銘柄をテクニカルで斬る 新春に凧ではなく、舞い上がる無人ヘリコプター 株価の上昇トレンドに変化はあるか

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散歩がてらに近くの自然公園に行った。残念ながら凧(たこ)揚げをしている子供に会わなかったが、1人でラジコンの小型ヘリコプターで遊んでいる大人を見た。連休のひととき、童心に返って楽しんでいる。24時間営業、ドン・キホーテのおもちゃ売場にはラジコンヘリコプターが山積みである。ゲリラ配置の売り場レイアウトに厳しいことで定評のドン・キホーテ、株価もデフレなど無関係に右肩上がりだ。証券界も舞い「上がる」ものを好感する気風がある。舞い上がるおもちゃ、ラジコンヘリで遊んでいたのは、大納会に興奮した証券マンかもしれない。

米国のアマゾン・ドット・コムは2015年に無人ヘリコプター(以下ヘリ)を使用した商品配送を計画している。YouTubeで動画を見ると小型ラジコンヘリが飛んでいる。国土が広大なアメリカ、ラジコン無線の通信技術は、玄関先までの配送を考えると米軍の無人攻撃機に匹敵するような位置情報精度と風雨に負けない安定飛行性能が必要だろう。ドイツポストDHLも13年12月から小型無人ヘリによる配送実験を開始した。

無人ヘリと言えばヤマハ発動機(7272)だ。同社は、1987年に世界初の産業用無人ヘリを発売、97年に姿勢制御システムを搭載した無人ヘリRMAX、2003年にGPS(全地球測位システム)による速度制御機能を付加した改良型ヘリを発売。傾斜地など手間のかかる農地の農薬散布などで大活躍し、ヤンマーへもOEM(相手先ブランドによる生産)供給している。

国防を重視する安倍政権下、防衛庁は平成26年度の防衛関連予算の概算要求に、偵察や装備輸送に「無人ヘリ」の導入が可能かを検討する調査費を計上した。いよいよ軍事利用の段階に入るようだ。Googleの参入で自動走行の自動車開発が話題だが、既に航空機は、民間分野でさえ自動操縦装置が広く使われている。パイロットが居眠りをしても成田からニューヨークまで飛ぶことができる。高価な航空機だから搭載できる自動操舵を安価な乗用車に搭載となると経済合理性に合うだろうか。

ラジコンヘリより格段に高度な無人(自動操舵)ヘリ。軍事産業の脆弱(ぜいじゃく)な日本で航空機制御の関連株は、可動翼制御システムのナブテスコ、降着装置の住友精密工業となるが、センサーは多い。GPSを活用したジャイロセンサー(角速度センサー)は航空機、ロケット、ミサイルなどの姿勢制御に使われている。同センサー関連は村田製作所(6981)セイコーエプソン(6724)など。また、物体の加速度を計測する加速度センサー関連は住友精密工業(6355)北陸電気工業(6989)などがある。ともに無人ヘリには必要なセンサーだろう。

広義のアベノミクス関連として、これらの無人ヘリ関連株の中から、独断でセイコーエプソンと北陸電気工業を選び、チャートから投資家の評価を考える。古くて新しい話題であり、過去10年間の株価(月足)のラインチャートを値幅カウンターとトレンドラインで分析する。トレンドライン分析は縦軸、横軸の単位の取り方次第でチャートの形状が変化し、予測される結果も異なるが(テレビのチャート解説者はこの事実に触れたがらない)、紙面の都合もあり、ご容赦願いたい。

エプソン(6724) 本格反騰、一段高の勢いに乗る

エプソン(6724)

エプソン(6724)

月足は、2004年9月の高値4700円から12年10月の安値443円まで約10分の1に下落して底打ち。「高値から10分の1に値下がりすれば大底」との経験則の典型。チャートの入門書向きの足取りだ。月足は04年9月高値と07年3月の高値3470円、08年8月の高値3170円を結ぶ下降トレンドラインを13年8月に1389円を付けて上抜いた。これを転機に反騰が本格化、14年1月には下げ幅の半値戻しから、黄金分割の61.8%戻し3073円に接近した。時価買い。目標値は3分の2戻しの3281円。08年8月高値の水準だ。

北陸電気工業(6989) 出来高急増、買いシグナル点灯

北陸電気工業(6989)

北陸電気工業(6989)

月足もエプソンと似ている。2006年4月の高値410円から、12年9月の安値84円まで下落。高値の約5分の1の安値で底打ち。高値から10分の1ではないが、80円台でのもみ合いが底値形成のサイン。月足は、高値410円と06年8月の高値397円を結ぶ下降トレンドラインを13年5月に156円で突破、上昇トレンドに入った。出来高も急増(14年1月は形成中)し、時価買いのシグナル点灯。当面の目標値は下げ幅の3分の1戻しの192円。

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