IPO社長会見 足利ホールディングス(7167) 破たん後10年でフシ目の再上場

IPO 個別 社長会見


藤澤智社長

藤澤智社長

足利ホールディングス(7167)が12月19日、東証1部に新規上場。公開価格を7.3%上回る451円で初値を付けた。上場当日の記者会見で、同社の藤澤智社長=写真=は次のように語った。

優先株消却で資本コスト削減…再上場の目的は、知名度を高め、優れた人材を確保し、信用力を高めることにある。公募増資による調達資金は第1種優先株の消却に充て、資本コスト削減を図る。国際金融規制のバーゼルⅢに対応した自己資本比率向上にも資することになる。優先株の配当は、一時国有化された2003年の年90億円に対して、年32億円に低下することになる。

割安評価是正への対応策…公募価格を上回る初値形成にはホッとしているが、銀行株のPBR(株価純資産倍率)などを勘案すれば、まだ買いやすい、割り安な水準とも言える。マーケットに評価してもらうためには、コア業務純益を高めることが必要だろう。15年度に300億円を計画しており、約40億円の改善となる。このうち20億円分は収入増加によって、残りはIT活用などによる生産性向上によって達成を目指す。競争激化する中、「筋肉質で効率性の高い銀行」にしていきたい。

フロンティアは「埼玉」…地域貢献を単なる「お題目」ではなく、実現していくためには経営体力、収益力、企業価値の向上が重要だ。成長実現のためには“新たなフロンティア”の開拓が必要。具体的には、潜在的なニーズの大きい埼玉県で店舗網拡充、人材投入などを進めていきたい。また、顧客企業の海外進出を情報面でサポートするという意味での海外展開にも力を入れていく。

再編も選択肢…大株主の野村証券とは引き続き協力関係を維持していく方針だ。少子高齢化の進む中、金融当局などにも地銀の再編を進めたい意向があるようだ。当行も例外ではなく、今後の選択肢の中には当然、「再編」も入っている。

<記者の目>
03年12月の経営破たんから、ちょうど10年経過。藤澤社長は、不良債権の膨れ上がった当時の反省から、信用リスク管理強化とガバナンス体制整備に取り組んできた。財務面での改善は進んだが、そろそろ、再編も含め“次の一手”が問われてくるタイミングと言えよう。

戻る