トップインタビュー ムロコーポレーション(7264) 室雅文代表取締役社長 ベトナム独り立ち、米国は正常化へ

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グローバル化進展
中期計画達成に向け着々

室雅文代表取締役社長

室雅文代表取締役社長

金型から自動車用部品を一貫生産する精密プレスメーカーのムロコーポレーション(7264・JQ)。独立系ながら北米に続きアジア展開も順調に進展。今3月期第2四半期は売上高、利益とも期初予想を上回る着地を見せ、通期でも増収増益を見込む。社長に就任して約半年が経過した室雅文代表取締役社長(写真)は「ユーザーの各種イベントへの出席が増え、これまでとは違った刺激を受けている。こうした機会をとらえて人脈を広げていきたい」と語る。ムロコーポレーションの現状と、今後の戦略をインタビューした。

――第2四半期決算は当初見込みを上回った。

 日本国内はエコカー補助金終了の反動があったが予定通りの事業進捗(しんちょく)だった。北米は生産拠点のオハイオ(MTO)が昨年から大増産となり、売上高ベースでは対前年比で昨年は30%、今年は10%の大幅アップとなっている。あまりの増産ペースからコストコントロールに障害が出て前期のMTOは赤字だったが、今期に入っての立て直しで足元は落ち着いてきた。北米は対応できないほどの仕事量がある。

――米国生産拠点の具体的な改善策とは。

 昨年より本社からの支援を強化し、体制の見直しを図り、今年7月ごろからは増産に対する生産体制が整い始め、その成果が出てきた。海外現地での人材登用とその後の教育は難しく、採用したからすぐに戦力となるわけではない。現状では、納期と品質にメドがつき、あとはコストコントロールを徹底することだ。また、中期的にみた需要の拡大から、将来的には北米第2拠点の検討が必要になってくるだろう。

――カナダ(MNA)現地拠点は好調なようだ。

 MNAでは、非自動車分野の主要販売製品である連続ねじ締め機『ビスライダー』を手掛けている。米国の住宅着工の堅調さを反映して順調に拡大している。また、2012年10月に米国東部を襲いニューヨーク取引所を2日間休場に追い込んだ「ハリケーン・サンディ」の被害による復興需要も寄与している。『ビスライダー』は特殊なネジ用途で差別化に成功しており、社是の1つであるニッチ戦略に沿った製品だ。今年もMNAは好決算が期待できる。まだ拡大できる市場とみており、新機能を追加した製品の投入も考えている。

――アジア展開も順調に立ち上がっているようだが。

 ベトナム(MTVN)は海外拠点として独り立ちできるレベルまで来た。海外子会社で一番優秀な拠点とも言え、海外で唯一金型を製作している。ASEAN(東南アジア諸国連合)域内の自動車部品需要への対応拠点とするために、将来的には一貫生産に必要なすべての工程を設置したい。今期から売上寄与するインドネシア(MTIN)は内需のポテンシャルが高く、引き合いも多い。まずはインドネシア現地での需要を取り込む。4社合弁のタイ(3MT)は販売会社として設立し、1年が経過。これら3拠点、それぞれの性格付けができた。

――電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)向けに、新製品の立ち上がりもある。

 大手自動車メーカー向けにHVのアクチュエーター部品を供給しているほか、燃費と環境性能を高める技術向けの部品も手掛けている。こうした部品の中には、他社では作れない部品もある。国内では難しい部品が増えてきており、高い技術を持つ当社には、まだまだ活躍余地がある。

――中期計画の進捗具合と消費税増税、2020年の東京五輪開催について考えを。

 2016年3月期末までに売上高200億円超、経常利益20億円超の目標に向けて足元は順調に進展している。配当は、今3月期期末20円一括を予定。一方、国内自動車業界における消費税増税による影響はある程度予想している。来期業績は、上半期が厳しく下半期から戻るというイメージ。東京五輪に関しては、各種施設の建設のため、トラックや建機の需要が伸びると予想しており、このことは部品を手掛ける当社にとってプラス材料だ。

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