トップインタビュー アンジェスMG(4563) 山田英代表取締役社長 遺伝子治療薬「コラテジェン」承認に追い風

インタビュー 個別


山田英代表取締役社長

山田英代表取締役社長

日本版NIHにも期待

遺伝子医薬のグローバルイノベーターを目指すアンジェスMG(4563・東マ)。HGF遺伝子治療薬「コラテジェン」が薬事法改正により国内での早期実現の可能性を高めている。山田英代表取締役社長(写真)に進展する政策と、アンジェスMGの現状と来年の展望をインタビューした要旨をまとめた。

法案成立

薬事法改正案と再生医療安全性確保法案が11月に参議院本会議で可決され成立した。これによって、条件付き承認制度により、遺伝子治療を含む再生医療などの医薬品の早期実用化が可能になる。遺伝子治療薬「コラテジェン」を持つ当社にとっては政策面での大きな追い風だ。この薬事法改正は、新しい概念を導入した政府の見解が盛り込まれ、所管の厚生労働省だけでなく、文部科学省、経済産業省も加わった産学連帯のオールジャパン体制の法改正に特徴がある。

承認第1号

ここ数カ月の動きから「コラテジェン」は改正後の早期承認制度第1号を目指す勢いで準備をしており、その期待も膨らんでいる。2015年半ばごろを目途に申請を提出し、審査は長くても半年と想定している。15年中から16年初頭には承認されることを期待している。重症虚血肢の患者に早期に治療薬を届けたい。

日本版NIH

薬事法改正だけでなく、アベノミクスでは医療分野の研究開発の司令塔機能となる「日本版NIH(国立衛生研究所)」創設の構想も注目している。ライフサイエンス分野のグラント(助成金)を一元化するもので、各省庁に分散している研究開発などのグラントを効率的・重点的に配分することが期待される。米国で3兆円規模のグラントも日本では3,000億円程度にとどまっている。アンジェスMGもさまざまなグラントをこれまでに得ている(別表参照)が、こうした政策支援が拡充される方向にあることはプラス材料だ。

来年の取組

14年は国内における「コラテジェン」早期承認制度に対応する開発のほか、米国で「コラテジェン」の年前半での第3相国際共同試験に入る準備を進めている。第3相国際共同試験は560例の大規模試験を予定しているが、同じプロトコールでオープン型の小規模試験も10-20例程度、並行して進めていきたい。近々、さらなる臨床研究が進む予定の子宮頸(けい)がんワクチンについても注力して行く。

女性の味方

現在は根治療法が無いリンパ浮腫だが、10月から原発性リンパ浮腫に対して原理的に有効であることの証明となる臨床POC取得に向けた第1・2相治験を実施中。この成果も14年以降見えてくるはずだ。このリンパ浮腫は二次性リンパ浮腫で国内推定10万人の患者がいるとされるが、子宮癌(がん)および乳癌の術後に発生率が高いため、女性からは根治療法の登場が切望され、「コラテジェン」が新規治療薬となる可能性を秘めている。

アンジェスMGが近年発表した主要助成金の種類
対象 事業主
事業名
発表
テーマ
CIN治療ワクチン  おおさかファンド
(公益財団法人大阪産業振興機構)
H24.6.25
平成24年度おおさか地域創造ファンド重点プロジェクト事業助成金 子宮頸部前癌治療用経口ワクチンの製剤技術開発
結合型デコイ  経済産業省 H24.8.6
平成24年度地域イノベーション創出実証研究補助事業(技術シーズ事業化支援枠) PLGA結合型核酸の研究開発
リンパ浮腫  NEDO H25.5.7
平成24年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業 HGFプラスミドによるリンパ浮腫治療薬の実用化開発
HGF診断薬  おおさかファンド
(公益財団法人大阪産業振興機構)
H25.7.11
おおさか地域創造ファンド重点プロジェクト事業助成金(医薬品・医療機器・iPS細胞(再生医療・創薬等)事業化・成長促進支援プロジェクト) 「乳癌c-Met発現を検索する血中miRNAスクリーニング検査法」の開発
CIN 治療ワクチン  厚生労働省 H25.8.27
平成25年度厚生労働科学研究費補助金医療技術実用化総合研究事業 子宮頸癌に対する粘膜免疫を介したヒトパピローマウイルス(HPV)分子標的免疫療法の臨床応用に関する研究
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