話題銘柄をテクニカルで斬る ミツミ電機(6767)、マツダ(7261)

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年末に向け一段の円安となれば全面底上げか、為替感応度から考察する

ついにドル円も先週1ドル=101円台に突入した。11月発表された各社の為替見通しのレポートを見てみると、某大手証券は年末までに1ドル=105円、2014年には110円になるとし、某メガバンク系シンクタンクは年末までに1ドル=104円を示現と予測していた。大方のシンクタンクも10月まで維持してきた「円高ドル安」との見解は、いつの間にかフェードアウト、消えて無くなった。12月の為替はどうも円安志向のようだ。

その理由は、11月8日に発表された10月分の米雇用統計。これがドル、すなわち、米国景気の見方を180度転換させたからだ。非農業部門雇用者数(前月比)が、ねじれ議会の混迷による政府機関の一部閉鎖の影響を受けて、約12万人の増加と予想されていたが、実際は20.4万人の増加だった。8月分、9月分の雇用者数も上方修正され、景気認識は「減速」から「加速」へと変化した。これはサプライズであり、量的緩和(QE)の早期(年内)縮小観測が台頭、米国の金利上昇やドル高を促す結果となった。

さらに14日、イエレン次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長候補は、上院銀行委員会の公聴会証言を受けて「米国景気が堅調でも量的緩和の縮小(テーパリング)は遅れる」と解釈され、この見方が米国景気を下支えさせると好意的に受け止められた。マーケットは一挙に「リスクオフ」から「リスクオン」に傾き、安全通貨の「円」は売られた。さらに12月が決算月の多い米国企業の期末レパトリ(本国送金)から考えても、ドルが高くなる可能性がある。

視点を変えれば、日本の貿易収支だ。20日に10月分の貿易統計が発表され、1兆907億円の赤字(前年同月5,562億円の赤字)で、10月としては過去最高の増益赤字。赤字額は比較できる1979年以降、3番目の大きさだった。さらに小泉元総理の「原発ゼロ」発言が伝わり、化石燃料の輸入増大に伴う恒常的な赤字構造も見えてきたからだ。当然、貿易赤字は円安要因である。貿易赤字は16カ月連続となり最長記録をさらに伸ばした。

逆説的だが、貿易赤字が膨らんだのは、円安が進んだことも大きい。基準となる10月の為替レートは1ドル=98.26円で、昨年10月の78.30円から大幅な円安となった。輸入額は前年同月比26.1%増の7兆1,952億円。ドル建て取引が多い原油や液化天然ガス(LNG)などの輸入額が円換算で大幅に増えたからだ。特に石油は67.8%増と大きく膨らんだ。

この円安を先読みしたかのように東京証券取引所の投資部門別売買状況(東京、名古屋2市場1・2部等合計)によると、2013年11月第2週に海外投資家は差し引き1兆1,721億円を買い越した。円安は日本の通貨当局が望むところで、日本経済、日本株にプラスとみたようだ。週間で過去最高を記録した4月2週(1兆5,865億円)に次ぐ水準だ。4月2週は、日本銀行による4月4日の異次元金融緩和策の発表を受け、日本のデフレ脱却期待が広がった。今回は海外初の円安で、株高の演出だ。

さて、シンクタンクの為替予測ではなく、円安メリットの3大業種、電機、自動車、精密の代表企業の株価から今後の為替相場を見通したい。これらの株価が先高を示していれば、先行き円安を示すことになる。ドル円は、07年6月22日の1ドル=123.8円をピークに円高に転じ、11年10月28日に75.8円のピークを付け、13年5月に103.2円の戻り安値を記録。再び100円を割り込んだ後、足元は101円前後で推移。

「鶏と卵、どちらが先」の例えで、先行き円安メリット株の株高示唆なら、一段の円安、1ドル=103円も視野に入ろう。円ドルの為替感応度の高い円安メリットの代表株、ミツミ電機(6767)、とマツダ(7261)で考察。分析ツールは過去3年間の週足ラインチャートでシンプルに分析する。結論は、今後、14年後半に向かい一段と円安になるということ。13年12月に5月の103円台に戻せば、日経平均株価も5月の高値1万5,942円を更新、1万7,000円も視野に入ろう。

ミツミ電機(6767) 上昇トレンドに変化なし、時価買い

ミツミ電機(6767) 週足

ミツミ(6767) 週足

ミツミ電機の週足は、2012年11月の安値368円をボトムに値上がり、13年5月に高値789円、8月高値775円と800円の節目手前でもちあいし、11月入り800円を突破、10年3月の高値810円に並んだ。週足は下値を順次切り上げ、上昇トレンドの継続を示唆。時価買い。目標値は、V計算値で、10年3月の810円から底値368円までの下げ幅422円を810円に加算した1232円。

 

マツダ(7261) 上値知れず、高所恐怖症なら見送りも

マツダ(7261) 週足

マツダ(7261) 週足

マツダの週足は、2012年8月の安値89円を大底に長期上昇相場に入り、13年11月22日に高値457円を示現、実に底値から5倍の大化け。足元も下値切り上げ、上値も切り上げの上昇継続。上昇トレンドの角度は緩やかに転じたもののジリ高。週足はN、E、Vの計算値が当てはまらないチャーチスト泣かせの足取りで上値メドは不明。短期割り切り以外は、シロウト近寄るべからずの様子見。リスク覚悟の時価買いの目標値は、「倍返し」のV計算値で11年1月の高値250円から89円までの下げ幅161円の2倍の322円を250円に加算した572円。

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