中国産「汚染鶏」問題で脚光 『カルスポリン』

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カルピス 米工場が来年4月稼働

アサヒ(2502) 週足

アサヒ(2502) 週足

抗生物質を過剰投与された中国産「汚染鶏肉問題」が話題になってから1年近くが経過。懸案の鶏肉が使用された中国のマクドナルドではいまだ客足が戻らず、米マクドナルドの7-9月期業績がさえない原因の1つに挙げられている。

日本は飼育期間において抗生物質の投与は認められているが、世界を見渡せば、EU(欧州連合)では2006年1月から成長促進を目的とした抗生物質の使用は全面禁止。これによりEUだけでなく、EUへの食肉輸出国であるタイなどアジア地域や、ブラジルなど中南米地域にも同様の規制(抗生物質の全面使用禁止)が反映されるようになっている。

こうした中、アサヒグループHD(2502)傘下のカルピスが製造販売する飼料添加物「カルスポリン」の存在感が高まってきている。

「カルスポリン」には家畜の腸内の有用菌(乳酸菌、ビフィズス菌)を増やす働きがあり、こうした作用によって、(1)家畜(鶏、豚、牛)をより少ない飼料で大きく育てることが可能(飼料のトータルコスト低減)、(2)抗生物質の代替品になる得る――という優れもの。

既に日本をはじめ、米国、南米、欧州、アジアで、鶏、豚、牛の飼料に混ぜて使用され、世界最大の食肉加工メーカー、米タイソン・フーズなどでは鶏の「成長促進を目的とした抗生物質の代替品」として全面採用している。

直近で年間売上高20億円程度に成長したカルスポリンは、今後の需要見通しも明るい。

これまでは日本でのみ製造していたが、食の安全・安心への意識の高まりや、飼料用穀物(大豆、トウモロコシ、小麦など)価格の上昇傾向などを背景に引き合いが増えてきているようで、最大の消費地である米国に新工場を建設し、来年4月に生産を開始する予定。「新工場稼働で生産能力は現状に比べ倍増となる見込み」(アサヒグループHD・広報担当)という。米国の食肉輸出拡大策に乗っており、注目される。

ちなみに、日本ではカルスポリンの有力な取引先としては、米久(2290)アクシーズ(1381・JQ)などが挙げられる。

米久は業務用食肉加工大手で、養鶏・養豚場も多数保有。今2月期は食肉卸値の改善もあり、2期ぶり黒字転換が見込まれる。時価はPBR(株価純資産倍率) 0.5倍台。

アクシーズは鶏肉国内大手。鶏の飼育、加工から飼料製造までを含めたすべての工程を自社内で行っている。独自の生産体制と技術によって、完全な「無薬鶏」の生産を実現している。

このほか、秋川牧園(1380・JQ)もヒヨコの時から抗菌剤、抗生物質などの薬剤を一切使用しない無投薬飼育を日本でいち早く成功させ、安心、安全の道を切り開いたことで知られる。

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