特報 ダイドードリンコ ミニカー付缶コーヒー入手難!?

個別 特報 連載


『セブンカフェ』ショックの対抗策

ダイドードリンコ(2590) 週足

ダイドードリンコ(2590) 週足

セブン・イレブンがカウンター販売のいれたてコーヒー『セブンカフェ』の販売を開始してから早9カ月。『セブンカフェ』ショックなどという言葉が誕生するほど、コーヒー業界を直撃したようで、9月28日号の「週刊東洋経済」が第2特集で『激変!コーヒー市場最前線』なる特集を組んでいる。

この記事によると、何でも最も影響を受けたのが缶コーヒーなのだそうで、今年1-7月にかけて缶コーヒーの売り上げが前年同期比で4-5%下がったという。

その缶コーヒー、もっぱら自販機で購入している人には縁のない話だが、コンビニ向けでは定期的にキャンペーンと称してミニカーのオマケを付けていることを読者諸氏はご存知だろうか。

今店頭で手に入るオマケ付き缶コーヒーは、サッカー選手の三浦知義のCMでおなじみ、日本コカコーラの「ジョージアヨーロピアンプレミアムブレンド」、同じく日本コカコーラの「ジョージアヨーロピアンコクのブラック」、それにダイドードリンコの「ダイドーブレンド飲み応え微糖」、同じくダイドードリンコの「ダイドーデミタスコーヒー」の4種類。

ヨーロピアンプレミアムブレンドはBMW6種類、ヨーロピアンコクのブラックはアルファロメオ6種類、ダイドー飲み応え微糖は国産車10種類、ダイドーデミタスはモンスタートラック10種類である。

筆者の個人的な感想で言わせていただくと、中でも秀逸かつ希少性が高いのは、ダイドー飲み応え微糖の国産車10種類である。

この国産車シリーズ、しげの秀一原作の人気漫画「頭文字(イニシャル)D」とのタイアップ企画で、1号が主人公藤原拓海のスプリンタートレノ(藤原とうふ店のロゴ入り)、2号が武内樹のカローラレビン、3号が高橋涼介のRX-7、4号が高橋啓介のRX-7タイプR、5号が末次トオルのユーノスロードスター、6号が小柏カイのMR-2、7号が中里毅のスカイラインGT-R、8号が庄司慎吾のシビック、9号が佐藤真子のシルエイティ、10号が藤原文太のインプレッサというラインナップである。

ジョージアは今年4月にもベンツで8種類を出しているのだが、ベンツもアルファロメオもBMWも、いずれも単一メーカーのラインナップである。従ってライセンス交渉は1社で済んだはずだ。

だが、ダイドーの国産車はトヨタ、マツダ、日産、ホンダ、スバルと実に5社とのライセンス交渉になったはずで、しかもそこへ、しげの秀一氏との交渉も加わったはずなのだ。

希少性で言えばダイドーは群を抜く。というのも、ダイドーは缶コーヒーの出荷量は年間1億ケース程度で、ジョージアの6割程度。しかもダイドーの飲料事業の売り上げの5割強が缶コーヒーで販売チャネルでは86%が自販機ルート。

実際、自宅と仕事場両方合わせて筆者の行動半径にあるコンビニ17件のうち、ダイドーが面をとれていたのはわずか3店舗。このうち1店舗は筆者がおまけ欲しさに一気に5本を購入したら、翌日にはBOSSに棚をとられていたし、もう1店舗は1列だけスペースがとれているのに、かれこれ1週間欠品状態が続いている。

一方、ジョージアプレミアムブレンドは17件全店で2列の面を確保していて、おまけ付きを置いていなかったのは2店舗だけだった。コクのブラックは置いていない店舗が3店舗あり、おまけ付きが置いてある店は7店舗だけだった。

従ってジョージアのおまけのうちBMWは簡単に全種類コンプリートできるし、アルファロメオも多少の努力をすればコンプリートできるが、ダイドーのDシリーズはそもそも置いている店舗が極端に少ないので、極めて希少性が高い。

たまたま筆者が仕事場にしているマンションの筋向かいにあるコンビニが、パーフェクトにおまけ付きを置いている店だったので、残りの5本はすべてこのコンビニでそろえたが、1号だけがなかなか手に入らず、ゲットするのに10日間もかかってしまった。

このミニカーおまけシリーズ、スーパーなどほかの商流への配慮なのか、CMではまず取り上げない。普段行くコンビニが入れていなければ消費者が気付くこともないだろう。

今期のダイドーの月次実績を見ると、1月から9月までの9カ月間で前年比100%を超えたのは2、5、8月の3カ月のみ。9カ月間の累計では101.4%である。

月次は毎月20日締め。Dシリーズのキャンペーン開始は9月17日だったので、10月の実績が楽しみではあるが、相当の手間暇やコストをかけたであろうこのキャンペーン、もっと収益に結びつく活用法があるように思うのだがどうだろうか。

ダイドードリンコの業績推移

ダイドードリンコの業績推移

著者紹介 伊藤 歩(いとう あゆみ)
ノンバンク、外資系金融機関など複数の企業で融資、不良債権回収、金融商品の販売を手掛けた経験を持つ金融ジャーナリスト。主な著書に「TOB阻止 完全対応マニュアル」(財界展望新社刊)
戻る