化学セクターの注目株 旭化成、住友化学、電化など 大和証券企業調査部 梅林秀光アナリストに聞く

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梅林秀光氏

梅林秀光氏

昨年11月に始動したアベノミクス相場の「第1幕」は5月で終了。「第2幕」では、出遅れ銘柄に物色の矛先が向かうとの見方が聞かれる。出遅れセクターの1つ、化学セクターの投資着眼点や注目銘柄を、大和証券企業調査部の梅林秀光アナリストに聞いた。

――化学セクターの着眼点。

「エチレンなどいわゆるコモディティは、現在でも供給過剰状態にある上、今後も中国やインドでの増産投資が続く見通し。さらに中期的には米国からシェールガス由来のものがアジアに流入する可能性があり、競争激化に拍車が掛かると目されている。このため、大量生産され、付加価値を付けにくいバルクケミカル(汎用化学品)以外の事業の育成が進展し、全体利益を伸ばしている企業に注目している」

――具体的には。

「化学大手5社中、旭化成(3407)住友化学(4005)は、リーマン・ショック後における最高益をマークした2011年3月期の営業利益を今期、来期ともに上回る見通し。旭化成は住宅事業、医薬品・医療機器事業が、住友化学は電子材料事業、医薬品・農薬事業が伸びている。とりわけ、住友化学は電子材料、医薬品、農薬の3事業合計で営業利益1000億円を稼げる体質となっており、トップピック銘柄としている」

――そのほかでは。

電気化学工業(電化、4061)に注目している。ライフサイエンス事業が伸びており、全体営業利益250億円のうち、推定100億円を稼ぐようになってきていることがポイント」

「特に、試薬の世界メジャーである米国企業向けOEM(相手先ブランドによる生産)供給が伸びている。試薬の先進市場で市場規模も大きい米国に間接的に食い込んでいることは評価できよう。OEMとはいえ開発受託型のため利益率が高いことも評価点。また、米国向けに自社ブランド試薬の開発も進めている。会社側はライフサイエンス事業の営業利益を5年間で2倍(=200億円規模)に引き上げる方針」

「また、セメントメーカーの顔も持つ。セメントを製造販売しているほか、セメントを早く固めるなどの添加材をセメント関連メーカーに外販している。現在、セメント工場はフル稼働。中期的にも公共投資拡大やオリンピックに向けてセメントの採算改善や添加材の需要拡大が期待できる」

――電化は数年前にデンカ生研を完全子会社化した。同社のインフルエンザワクチンは「鶏卵培養法」だが、近い将来、「細胞培養法」が市場を席巻するとの見方も聞かれる。

「仮に鶏卵培養法が廃れたとしても、ワクチンの減益分は試薬の成長で十分吸収可能だろう」

――電化の投資判断。

「社名通り、化学会社と思われがちだが、いまや利益の半分近くをライフサイエンスで稼ぐ企業に変化しつつある。一方、市場での評価は化学セクターの評価にとどまる。ライフサイエンスが成長ステージを迎えている同社の時価は、来期PER 10.1倍と割安感が強く、来期を見据えると上値余地があるとみている」

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