消費増税決定で泣き笑い 券売機買い替え需要に弾み

セクター 個別


消費税率引き上げ後の価格表示方法を巡り、小売りが頭を悩ませている。

現在は本体価格と消費税を合わせた「総額表示」が原則だが、今後は「総額表示」「税抜き表示」「税抜き価格と税込み価格の併記」の3パターンに分かれる。

「政府が総額表示義務を緩和し、税抜き表示の道を開いたのは、下請けイジメ防止が狙い」(業界関係者)ということもあり、税抜き表示を推奨する動きがあったものの、博報堂が今夏実施した消費者調査で、税抜き表示を支持する人は「2%程度」にとどまり、商品を手に取る時点で消費税額を含む支払い金額を把握したいとした人が「81.9%」に及んだこともあり、再考する企業も出てきている。

中で、消費者にやさしい価格表示として「併記型」を選択する企業も。併記型の場合、税抜き価格と税込み価格を表示することになるが、小売店などで見かける液晶式電子値札の中には、“1本値”しか表示できないタイプがあり、こうした小売店に対してNEC(6701)などがシステム置き換え需要を狙い営業攻勢を掛けているようだ。

価格表示機器といえば、券売機もそう。駅の券売機は、オムロン(6645)日本信号(6741)高見沢サイバネティックス(6424・JQ)の3社でほぼシェアを分け合う状況。

過去においては消費税導入・引き上げ時や運賃改定時などで、券売機の買い替えが進んだ。「いまの機械はプログラミングの変更で価格改定に対応できるため、消費増税の直接的なインパクトは限定的だろう。ただ、2-3年前から進みつつある、全国共通ICカード対応券売機への入れ替え・改造需要に弾みがつくとみられ、いい方向に働こう」(高見沢サイバネティックス・IR担当)。

また、タバコ向け自販機や食券販売機なども手掛けるグローリー(6457)も注目される。

成人識別ICカード「タスポ」の発行手続きに手間が掛かることから、タバコを購入する際、「自販機」ではなく「コンビニ」を選ぶ人が増え、コンビニシフトが進んでいることもあり、タバコ自販機については買い替え期待は薄い。

一方、食券販売機は消費増税をきっかけに置き換えが進む公算大。外食業界では昨年より「ボタン式券売機」から「タッチパネル式券売機」へ置き換える動きが表面化。「足元でもタッチパネル式の食券販売機は販売好調。同式への置き換えは始まったばかり。ボタン式に比べて価格変更に対応しやすいことから、消費税の段階的な引き上げも見据え、置き換え需要が今後加速しそう」(グローリー・IR担当)という。

同社の今3月期業績は、欧州企業のM&A(企業合併・買収)効果や、新しい5ユーロ紙幣、100㌦紙幣の登場もあり、経常利益150億円(前期比9%増)と連続増益見通し。時価はPBR(株価純資産倍率)1倍割れ。

このほか、飲料向け自販機最大手(国内シェア4-5割)という顔も持つ富士電機(6504)も関連株に挙がる。インバーターやパワー半導体の需要回復、コンビニ向けコーヒーマシンの好調などもあって今3月期業績は順調で、先に9月中間期業績予想を上方修正している。

金融機関のATM(現金自動預払機)手数料の上限も来年4月から引き上げられる見通し。手数料が相対的に割安なセブン銀行(8410)にも関心。

戻る