大手証券 中小型株レポート充実の動き

個別 概況


大手証券が中小型株レポートを充実させてきている。

かねて月1-2回のペースで「中小型株マンスリーレポート」を発行していた野村証券は、昨年12月から週1回のペースに切り替えて「中小型株ウィークリーレポート」を発行。従来のマンスリーレポートで紹介していた決算コメント、決算説明会コメント、月次コメントなど、いわゆるショートコメントコーナーを独立させた内容となっている。

ウィークリー化の狙いは「鮮度の高い情報提供」「機動的な情報提供」にあるという。昨年12月といえばアベノミクス相場が幕開けたばかりだが、その時点で中小型株への関心が今後高まっていくと判断したようであり、さすが機を見るに敏といったところか。

1、2カ月に1回を基本に「中小型セクター動向レポート」を適宜発行している大和証券を含め、大手証券で中小型株にフォーカスしたレポートを定期的に発行しているのは昨年まで2社だけだったが、今夏あたりからメガバンク系列の大手証券も追随。具体的には、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が今年6月から機関投資家向け「中小型ストラテジーレポート」の発行を開始。こちらは四半期に1度の発行頻度となる。同証券は「中小型株調査充実の一環。中小型株でまとまったレポートを定期的に発行するのは近年で初めてであり、新しい試み」という。

7月からは、みずほ証券も「これだけ全体相場が活況になると、中小型株への注目度も高まってくる」として、「中小型マンスリーレポート」の発行を2006年秋以来、ほぼ7年ぶりに復活させた。「まとまったものがあると便利と投資家から好評を得ている。問い合わせも増えてきている」とのこと。

こうしたレポートの発行は、大型株というコップの水があふれると(=大型株の買いが一巡すると)、中小型株に向かうという投資資金の流れも踏まえたものといえ、中小型株の先高期待や注目度が強まっている証左。

銀行系列の証券の場合、カバーしているアナリストが少ない(もしくはいない)中小型株のレポートは、投資家向け営業ツールだけでなく、発行体向け営業ツールにもなる可能性があり、「証券と銀行の融合」促進という側面もあるようだが、いずれにせよレポートをきっかけに中小型株の魅力に触れる投資家が増えていく。

なお、最新のレポートで、野村証券はコーセー(4922)について「量販店での売り場が拡大している。上期ガイダンス超過に向けて収益順調」などと指摘。大和証券はニチレキ(5011)リオン(6823)あいHD(3076)ADEKA(4401)ダイヘン(6622)などを注目銘柄に挙げている。

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