取材の現場 来年度予算“アベノミクス枠”の核に

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「介護ロボット」の拡大に弾み

来年度予算の概算要求総額が、過去最大の99兆2,500億円に達した。国債の利払いや社会保障費の増加に加え、「優先課題推進枠」と名付けられた成長戦略や防災絡みの“アベノミクス枠”だ。

あまたある優先課題枠として期待できそうなのが、既に注目されている「介護ロボット」の分野ではないか。概算要求では経産省が30億円、厚労省が1.8億円を要求している。アベノミクスの成否はどうなるか分からないが、介護市場が拡大することは間違いない。その介護に、日本が誇るものづくりの技術を掛け合わせるという、一種のイノベーションだから期待は高まっている。

介護ロボット推進は昨年、野田政権が打ち出した「日本再生戦略」に既に盛り込まれており、政府の取り組みは始まっている。さらに、今年6月に公表したアベノミクス「日本再興戦略」では、「ロボット介護機器開発5カ年計画を今年度より開始する」とアクセルを踏んだ。

介護ロボット開発を行っている企業は多数ある。大和ハウス(1925)は自動排泄処理ロボット「マインレット」や、アニマルセラピー効果で認知症対策を担うロボット「パロ」を開発。認知症対策では富士ソフト(9749)にも「パルロ」というロボットがある。ホンダ(7267)村田製作所(6981)は、アシモやムラタセイサク君の技術を生かした歩行補助ロボットを開発。パナソニック(6752)船井電機(6839)も同様の製品開発を行っている。

メーカーだけでなく、介護業界内でも取り組みが始まっており、セントケア・ホールディング(2374・JQ)は複数の電機メーカーと共同で開発を始めた。オリックス・リビング(オリックス/8591)も介護ロボットの開発、実証実験を始めた。

アベノミクス絡みでは、名古屋市と愛知県が特区構想を発表。介護ロボット開発もそこで行うという。中部地方では、東海ゴム(5191)が「リーバ」、トヨタ(7203)が「パートナーロボット」という介護ロボットを開発している。

介護ロボットの普及でネックとなるのは、補助金よりも介護保険の適用だろう。既に、2027年改正への議論が始まっており、6月6日に行われた社会保障審議会介護保険部会では、介護ロボットに関する議論が行われた。介護ロボットの成否は予算よりもむしろ、どのロボットが介護保険の対象になるか否かが焦点だ。

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