取材の現場から 9月は厚生労働省の「ブラック企業対策月間」 勤怠管理システムの出番か

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厚生労働省は9月を「ブラック企業対策月間」と位置付け、集中的な監督指導を実施する。これは、6月に出たアベノミクス第3の矢「日本再興戦略」で示した、「若者の『使い捨て』が疑われる企業について、対応策を強化する」という方針に対応したものだ。

マスコミから伝えられるブラック企業というと大手居酒屋チェーンなどの名前が挙がるが、そもそもブラック企業の定義はあいまい。それゆえ厚労省は、「使い捨て」という表現を使っている。

ただ、今回の取り組みでブラック企業退治ができるかは疑問だ。

「労働基準監督署の監督官に与えられた権限は限られている。サービス残業による未払い賃金の支給や、違法な長時間労働の是正を求める勧告ぐらいしかできない。過酷なノルマを課して、目標達成できなかった者を次々とクビにしているような、正に若者を使い捨てしている会社を指導、摘発することはできない」(社会保険労務士)

未払い賃金についても、出勤記録などの証拠がそろっていないと請求は難しく、企業がとぼけたら労働者本人が裁判に訴え出ねばならない。労基署が訴え出てくれるわけではない。

とはいえ、企業は意外に労基署を怖がっているところがあり、今回の厚労省のキャンペーンを期に、勤怠管理制度やシステムをあらためて整備する会社も、中小企業を中心に出てくるともみられている。

勤怠管理は就業管理ともいわれ、いわゆるタイムカードのこと。近年はクラウドの勤怠管理システムが普及している。

そうした会社を探してみると、就業時間管理システム国内最大手のアマノ(6436)をはじめ、民間シンクタンク調査で利用社数トップのキング・オブ・タイムというシステムを持つトッパンフォームズ(7862)、保育所向けの導入を強化中と報じられたソニービジネスソリューション(ソニー/6758)。そのほか、セコム(9735)子会社のセコムトラストシステムズ、日立製作所(6501)は子会社の日立ソリューションと日立システムズがそれぞれ手掛けている。大塚商会(4768)も、勤怠システムの販売代理店を担っている。

ちなみに日本一、過重労働が横行しているのは霞が関の国家公務員だ。中でも厚労省は断トツともいわれる。労基署の監督官は、サービス残業をしながら、ブラック企業の従業員の相談を受けているのだ。

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