ベンチャーキャピタルに活躍余地 成長戦略第2弾で再注目へ 

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創業間もない企業などに資金を供給し、成長を支援するベンチャーキャピタル(VC)。IPO(新規上場)回復に伴い業績視界が開けてきている上、成長戦略第2弾として「ベンチャー投資減税」が実現される可能性が高く、今後さらに市場求心力を高めていくとみられている。

ジャフコ(8595) 週足

ジャフコ(8595) 週足

■ジャフコ

最も注目されるのがVC最大手ジャフコ(8595)。IPO市場回復を背景に投資資金を回収する「出口」、投資資金を募集する「入口」ともに環境良好だ。

同社はリーマン・ショック前はベンチャー企業に“広く薄く”出資していたが、リーマン・ショックを経て2010年ごろから投資先をある程度絞り、出資比率も高めることで出口の選択肢を広げる方策に転換した。

「市況がよくなればバリュエーションが切り上がり、これはこれでリスク。市況低迷時は割安価格で投資するチャンスとなる。マーケットが良い時も悪い時も安定的に投資する――これを基本に当面、年間投資額200億円・投資先40社程度とする考え。間もなくこの方針転換の成果が花開くステージを迎える」(ジャフコ・松田宏明執行役員)といい、先行きに自信を示している。

さて、今秋に打ち出される公算が大きい「ベンチャー投資減税」。「全ぼうが分からないのでなんとも言えないが、企業の節税ニーズの根強さを勘案すると、それなりのインパクトが期待できるのでは」(松田執行役員)。いずれにしても「国策」に乗る業界といえ注目される。

フューチャーVC(8462) 週足

フューチャーVC(8462) 週足

■フューチャーVC

京都に本社を置くフューチャーベンチャーキャピタル(8462・JQ)も、「自民党政権に代わってから市況改善を背景に事業会社を中心に出資意欲回復。国際業務を行う銀行はバーゼル規制との兼ね合いから出資は厳しいが」(フューチャーVC・IR担当)という。

同社は地方自治体や地方の金融機関と共同でファンドを設立。連携先は滋賀県、奈良県、三重県、神戸市、堺市、石川県、岩手県、青森県、青森県と幅広い。ほかのVCと異なり、出資先に東京の案件が少ないことが特徴と言える。そんな同社は8月末、愛媛県の第二地銀、愛媛銀行と国内の未上場ベンチャーに投資する新ファンドを設立したと発表した。

前期までIPO低迷を背景に赤字経営が続いたが、「本業に加えて、起業支援や、京都・大阪でのシェアオフィスなど新規事業によって今3月期はなんとか営業黒字を確保したい」(同)としている。

今期黒字化の1つのカギと目されているのが今夏上場のJSS(6074・JQ)。出資比率が比較的高いため、市場で売却を進めると需給悪化を招く可能性がある。このためJSSの事業強化につながる企業などに売却する可能性も探っているようだ。

このほか、ドリームインキュベータ(4310)も再び業績成長軌道入り。投資先のうち今期はフォトクリエイト(6075・東マ)に続き、サンワカンパニー(3187・東マ)の上場承認が下りた。

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