米S&P500を強く意識 日本取引所グループ・岩永守幸常務執行役CFO語る

インタビュー


岩永守幸常務執行役CFO

岩永守幸常務執行役CFO

一昨年秋までのTOPIXは、上にも下にもいかない膠着状態が続いていた。ちゃんとした、いい会社で新たな指数を作った方がいいんじゃないかという、冗談とも本気とも付かない当時の会話がJPX日経400導入の発端となった。東証1部全銘柄で構成されるTOPIXは、ベンチマークとして9割以上のシェアを持つが、例えば1989年末の構成銘柄数1,165に対し、現在は1,780銘柄に増加。ややもすると、旬を過ぎて事業の勢いを失った企業も含まれる。それでもTOPIXに採用されることで株価が維持され、かえって事業革新の機運をそぐ結果となっていた。JPX日経400は、市場区分にとらわらず、いい会社をキチンと評価することで日本株の魅力をアピールするものだ。

「いい会社」とは、投資家から見て投資魅力の高い企業を指す。投資家を意識し、資本を効率的に活用し、企業価値向上に資する経営を行っている企業だ。JPX日経400採用を“名誉”と思ってもらえるようになれば、幅広い企業に意識向上を促し、市場価値を高めていくことになる。

銘柄選定基準として3年平均ROE(自己資本利益率)に約4割の比重を置く。ほかにROA、ROIC、EVAなども考えたが、経営の効率性評価は最終的にROEに収斂(しゅうれん)されるとの声もあり、外国人のニーズが断トツに高いことも決め手となった。同様に、3期累積営業利益にも4割の比重を掛けたのは、ROEの分子が、きちんと本業から確保されているか利益の質を見るためだ。残り2割の時価総額も、プロの運用者に使ってもらうためには外せなかった。

構成銘柄を400としたのは、運用面を考慮したほかパフォーマンスとコストを勘案して最も“座り”が良かったため。また1銘柄の指数構成ウエートに、全体の1.5%という上限を設けたのは、特定の銘柄が過度の影響を与えないようにしたことと、銘柄入れ替えの際の影響を抑えるのが目的だ。指数開発にあたって強く意識した米S&P500は90年以降、500銘柄中、既に340-350銘柄が入れ替わった。JPX日経400も新ビジネスの企業にどんどん入ってもらいたいため、入れ替えの影響を抑える必要があった。

GPIFには直接足を運び思いを伝えてきた。細かいデータも提供しており、ご理解いただけているのではないか。そのうちいい方向での議論が出てくると期待している。

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