ホンネで迫る!! ブラインドインタビュー 日銀会合に隠れた注目点 ETF買入達成率95%に 

インタビュー


半世紀隔てた「1,200防衛」

10月29、30日が米国FOMC(連邦公開市場委員会)、31日は日銀金融政策決定会合と、日米で金融政策イベントが続いた。もともと大方の見通しは無風通過。全くのノーマーク状態だけに、逆に何か飛び出せば大きなサプライズにつながるところだったが、結局は現状維持。

証券関係者A 「今回の日銀会合について、JPモルガン証券は今週のウイークリーで『追加緩和が決定される可能性はほぼ皆無だろう』としていた。クレディ・スイス証券のレポートも、米国出張時に来年1月追加緩和説を唱えたら『タイミング的に早過ぎるのではないか、との反応が大半』だったと書いている。ともに日銀出身で、金融政策通として知られるエコノミストであり、今回の『追加緩和見送り』はコンセンサスだった」

証券関係者B 「そんな中にも、わずかな可能性を見いだすのが証券人種というもの。三菱UFJ証券の人気ストラテジスト、藤戸則弘氏は25日付レポートで、『期待を込めて深読みすれば』とした上で、ETF(上場投信)の買入枠拡大には『一考の余地があるものと思われる』などとしていた。日銀によるETFの累計買入額は10月28日現在で2兆3,696億円に達し、年末までの買入枠2兆5,000億円に対する“達成率”は、既に94.8%となってきたためだ(来年の買入枠は1兆円)。物価指標などは日銀のシナリオに近い線にあり、10年債利回りが0.6%近辺の歴史的低水準という現状で、国債買入増加などの追加緩和策は無理筋だが、海外投資家の間には、消費税率引き上げを前にしたプロアクティブ(積極的)な対応を期待するムードも根強い。期待された3本目の矢が不発気味な分、再び1本目の矢に関心が移ってきているとの解説も聞かれる。株価動向次第では、今回、ETF増枠があっても不思議はなかったのではないか」

証券関係者A 「それはともかく、9月下旬から日銀のETF買い入れスタンスが明らかに変わっている。日銀がETF買い入れを始めたのは2010年12月で、翌月以降は『前引けのTOPIXが1%以上、下落したら実施』の“1%ルール”をかたくなに守り続け、市場筋の思惑も絡んで、0.99%安で引ける場面が何度も見られたものだ。今年4月の異次元緩和以降、実質的に“0.5%ルール”に変更されていたが、9月26日は前場-0.26%、10月8日は-0.07%、16日は-0.24%と、従来の基準に達しなくても買いを入れている」

証券関係者B 「ネットの掲示板では、『前場引値-0.5%以上』または『1,200ポイント割れ、かつマイナス圏』の“新ルール”に移行したのでは、などと盛り上がっていた。9月26日の前引けは1,207ポイントなので、厳密に言えば、当てはまらないのだが、前日比較だけではなく、絶対水準を意識してきた可能性はあるかもしれない。それにしても、『1,200』というのは、かつて1965年の証券不況の際、日経平均(当時は『東証修正平均』)の防衛ラインとして設定され、日本共同証券設立などによって証券界挙げて買い支えた水準。当時は、これを割り込んで、一時的に1,020円まで下げてしまったわけだが、約半世紀を経て、再び、この数字が“買い支えライン”として市場で意識されているというのも興味深い」

証券関係者A 「何にせよ、先物主導で、とかく一方通行になりがちな市場にあって、下落時に下値を買ってくれるのは、ありがたい存在であることは確か。今後も、その動向を注視しておきたい」

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