ホンネで迫る!! ブラインドインタビュー “上場ありき”の日本郵政株  「3事業」の収益向上が先決

インタビュー


4兆円に目がくらむ?

2015年春に株式上場を予定している日本郵政。傘下の「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」を合わせて3社同時上場を検討――と毎日新聞が報じてから約1カ月が経過した。ただ、その後は新しいニュースは出てこない。今年6月に社長に就任した西室泰三氏は3社同時上場によって、郵政民営化の姿勢をより強くアピールできると判断したとされるが…。

郵政関係者A 「上場時期については政府が決めることだから、何とも言えないが、現状は“上場ありき”で動いているフシがある。3社(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)同時は難しいと思う。本体(日本郵政)を先行上場させ、その後に金融子会社2社を上場させるのが本来的なあるべき姿だと思うけどな。仮に、優良な金融2社を先行(上場)させると、本体の上場時には企業価値が損なわれてしまう恐れがある」

郵政関係者B 「自民党サイドからは、金融2社の先行上場を探る動きが前からあるようだけど、現場の事情を全く知らない向きの意見だ。日本郵政グループの企業価値は約10兆円との試算もあり、仮に上場ともなれば4兆円規模の売却資金が復興財源となって政府の懐に転がり込む計算。この巨額な金額に目がくらんでいるのだろうけど」

――そうは言っても、「かんぽの宿」の一括売却など、上場に向けた動きが見てとれる。

郵政関係者A 「確かに、上場に向けた準備は進めようとしているようだ。『かんぽの宿』の一括売却もその表れなのだろう。ただ、かんぽの宿は本来加入者の保養施設としてスタートしたもの、それを採算ベースで赤字だからと言われても、趣旨が異なる。ならば、日本郵政は全体で年間4,500億円もの税金を納めている。採算が悪化している日本郵便でさえ、ゆうちょ銀行やかんぽ生命からの委託手数料収入約1兆円に対して、500億円もの消費税をとられている。これがなければ、日本郵便も黒字定着だろう」

郵政関係者B 「(日本郵政は)国庫にどれだけ貢献しているか。例えば、日本を代表する自動車企業などは政策減税などの恩恵もあって、実効税率は30%を切っているはず。長らく税金を納めていなかった銀行なども記憶に新しい。それに引き換え、郵政グループはまじめに税金を払っている」

郵政関係者A 「金融2社の上場後も日本郵便は本体(日本郵政)の傘下のままだろう。さらにいえば、世界中を見渡しても、郵便事業は大半は国営。本来的には民営化にはなじまないとも言える。にもかかわらず、民営化の推進で“株式上場ありき”で走っているが、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)など、外圧も気にされ、保険分野の一部開放など進めているが、これも、相乗効果は出ていない。こうした問題を抱えている中では、上場準備も進めにくいのが現状だろう。ともかく、3事業の収益向上を図っていくことが、株式上場への最短の方法だろう」

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