トップインタビュー 不動産証券化協会 専務理事 巻島一郎氏 「J-REIT」の特徴

REIT インタビュー


不動産証券化協会 専務理事 巻島一郎氏

不動産証券化協会
専務理事 巻島一郎氏

不動産証券化協会は、不動産証券化商品市場の社会的信用確保と投資家保護を活動の目的として設立された一般社団法人。第2回目となる今回は、J-REITの特徴および現状と課題などについて、専務理事の巻島一朗氏に聞いた。

――「J-REIT」の現状についてはどうですか。

「日本では市場創設から12年が経過して、ようやく投資家の方々に、J-REITの配当は安定している、との認識が定着してきた段階ではないかと思っています。アメリカではREITは、個人投資家が自分の年金を補完するために長期に投資する商品として認識され、広く普及しています」

安定配当と厳格な情報開示

――「J-REIT」の特徴はどのようなところですか。

「J-REITは厳格な情報開示による透明性が特徴です。最近の東証REIT指数は、配当利回り4%、10年もの国債とのスプレッド3%程度で落ち着いています。上場銘柄数は、合併による再編で一時期35銘柄に減りましたが、昨年からのIPO(新規公開)で現在は41銘柄、時価総額は8月段階で約6.4兆円となっています」

「また、安定した配当については、2004年から2012年末までのそれぞれの年の配当利回り実績の平均は5.0%です。J-REITは不動産賃貸利益を配当原資にしているので、配当額は安定しているのです」

市場規模の拡大が課題

――J-REITの課題は何ですか。

「何と言っても市場規模の拡大です。実際、世界各国の上場REITの市場規模を2013年3月末で比べると、トップは米国で約63兆円、次いで、オーストラリアの9兆円、第3位が日本の7.2兆円となります。日本の市場規模は米国の9分の1程度。その分なお、拡大余地は大きいと言えるでしょう。ちなみに、4位はフランスの5.9兆円、5位はカナダの4.6兆円、6位がシンガポールで4.5兆円となっています」

「例えば、米国のREITには、通信アンテナや放送タワーを組み込んだ『アメリカンタワー』(時価総額2.8兆円)や、個人用レンタル倉庫の『パブリックストレージ』(同2.4兆円)など、J-REITにはない物件タイプの大型REITが存在しています。また、米国には政府や州の施設に投資するREITも存在します。例えば、ガバメントプロパティーズ・インカムトラストは時価総額は1300億円程度ですが、地方政府や連邦政府の施設専門に投資しています」

「日本でも、老朽化した地方庁舎の建て替え時に、開発型証券化REITを(規制緩和などで)うまく利用することができれば、新庁舎の建て替えもより少ない資金で可能になります。同様に高齢者住宅や介護施設、保育施設などにも応用は十分に可能でしょう」

――「J-REIT」の普及活動について。

「9月28日(土)に東証ホールで『J-REITフェア2013』を開催します。J-REIT各社によるブース展示やIR説明会などが予定されています。入場は無料ですが、事前申し込み制となっています」

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