概況/大引け 米株安からドル売り、円高進行で下げ幅拡大。日経平均は576円安

概況


日経平均 15分足 MA(25/75)

日経平均 15分足 MA(25/75)

大引けのTOPIXは1,155.26の38.40ポイント安、日経平均は13,824.94円の576.12円安。東証1部市場の値上がり銘柄数は98、値下がり銘柄数は1,612。出来高は24億2,251万株、売買代金は2兆1,300億円。

昨日の米国ではハト派として知られるシカゴ連銀エバンス総裁(今年のFOMC投票メンバー)とアトランタ連銀ロックハート総裁が、9月に量的緩和縮小に着手する可能性を排除しなかったため、NYダウは続落となり、ドルも売られ、円高に向かいました。

本日の東京外為市場では午後3時に1ドル=96円99銭まで円高が進みました。円高を警戒し、日経平均の下げ幅も拡大しました。

昨年11月以降、アベノミクスと日銀の大胆な金融緩和から円安・日本株高の展開となったため、多くの投資家は円安が株価押上げ要因と認識しています。

しかし、三菱UFJモルガンスタンレー証券では今後は急速な円安よりも、為替安定が日本株に好影響を与えると見ています。日銀短観(6月調査)で大企業製造業の上期の想定レートは1ドル=91円25銭でした。上場企業の想定レートも1ドル=90~95円が多いので、1ドル=95円前後であれば、業績下方修正要因にならないそうです。

日本企業はコストを抑制してきたため、生産・販売数量が伸びるなら、円安にならなくとも、大幅な業績改善を享受すると指摘しています。多くの日本企業は「地産地消」を基本として最適な生産体制を構築して海外事業を拡大しています。円安は海外での利益を円転する際に業績を押上げますが、輸出拡大を通じて業績が急回復する状況ではなくなりつつあります。大幅な為替変動は事業環境の不透明要因となり、企業の戦略的な意思決定や設備投資を遅らせることになるそうです。

また、運用成績を自国通貨建てで評価する海外運用機関にとって、日本株投資に慎重な一因は、円安に伴う為替差損のリスクなので、為替安定は日本株で運用する投資家層を広げるとも述べています。

いすゞ自動車(7202)は、第1四半期の営業利益が444億円(前年同期比58%増益)でしたが、売られました。タイでは2011年9月から自動車の初回購入者向けに物品税減免措置が導入され、これが販売の押し上げ要因となりました。この減免措置は2012年末に終了したが、終了前にメーカー各社は受注残を大きく積み上げたとみられ、2013年初の数ヵ月はこれを消化する恰好となりました。今後はタイで減税効果が一巡してくることが警戒されています。

堀場製作所(6856)は、上期の営業利益が39億円(前年同期比25%減益)となったことが嫌気されました。「医用」は北米での販路拡大に向けた費用増、「環境・プロセス」は東日本大震災後に需要が拡大した煙道排ガス分析装置/環境放射線測定器等の減少、「科学」は各国政府予算削減の影響による販売減となりました。

一方、前田工繊(7821)は、岩井コスモ証券が投資判断を「B+」継続で、目標株価を560円→1,100円に引き上げました。落石や土砂崩れを防ぐシート・マット類、大型土のう袋、排水・防水シートなどを生産し、ゲリラ豪雨による河川の復旧需要で収益拡大が続くことや、除染活動の本格化により汚染土や廃棄物を入れる大型土のう袋、汚染土を入れた土のう袋を一時保管する仮置き場で使用する遮水シートなどの需要も見込めると紹介しました。

日経ジャスダック平均は1,812円の22円安。ガンホー(3765)クルーズ(2138)リプロセル(4978)いちごグループ(2337)が売られました。

ただ、J-TEC(7774)は、経済産業省が公募した「日本の医療機器サービスの海外展開に関する調査事業」で、中国とタイでの再生医療実用化プロジェクトが採択されたことで買われました。中国では審美治療を目的とした自家培養表皮の提供を、タイでは充実したメディカルツーリズムの環境を背景に自家培養軟骨の提供を実証するそうです。

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