概況/前引け 金利上昇による国債損失が警戒され銀行株が安い。第一生命は増配を好感。新興市場のバイオ関連続落

概況


日経平均 15分足 MA(25/75)

日経平均 15分足 MA(25/75)

前引けのTOPIXは1,234.66ポイントの18.19ポイント安、日経平均は14,932.95円の163.08円安。東証1部市場の値上がり銘柄数は168、値下がり銘柄数は1,512。出来高は28億7,887万株、売買代金は2兆2,025億円。

三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)や三井住友フィナンシャルグループ(8316)の決算はアナリスト予想を上回りましたが、株価は下落しました。大和証券のテクニカルアナリストは株式市場は景気敏感株相場に移行したと見ていて、銀行株の下落は金融緩和相場の一巡を示唆していると指摘し、今は銀行・不動産から撤退すべき時期と解説しています。

日銀が4月に発表した金融システムリポートでは、日本の金利が1%上昇すると、保有する国債価格下落で大手行は3.2兆円の損失が発生し、地銀や信用金庫などの地域金融機関の損失は3.4兆円に上るそうです。保有国債の平均残存期間は短いほどリスクは小さくなりますが、大手行の2年半程度に対し、地銀は4年、信金は5年近くに達します。

BNPパリバ証券では長期金利が4%になると大手金融機関は問題ないが、地域金融機関に必要な自己資本比率を割り込み、金融システムが動揺を始めるリスクがあり、長期金利が5%まで上昇すると自己資本不足に陥る金融機関が増え、大手行でも必要な自己資本比率を達成できないところが現れると解説しています。

一方、第一生命(8750)が買われました。今期の配当予想が2,000円と前期に比べて400円の増配を発表したことが評価されました。また、生保は日銀の金融緩和策により長短利鞘の縮小が警戒されていたため、運用益が上がらないことが警戒されていましたが、長期金利の上昇による長短利鞘の拡大で、これまで不動産株や銀行株などに比べて敬遠されてきた生保株の出遅れ修正も期待されています。

オリンパス(7733)は前期の営業利益は1.2%減益の350億7,700万円でしたが、今期の営業利益計画は710億円(前期比2倍)と発表したことや、不振のデジタルカメラ事業を立て直すため、低価格のコンパクトデジカメから撤退し、製造拠点を集約すると発表したことも評価され、買われています。中国とベトナム、日本の計5拠点で行っていたデジタルカメラの製造を2拠点に集約し、人員も来年3月までに約3,400人減らし、成長が期待できるミラーレス一眼などに経営資源を集中し、収益改善を図る計画です。

東京電力(9501)が続伸していますが、6月に見直す廃炉作業の工程表に国の関与が盛り込まれる方針が期待材料となっています。加えて、安倍首相が6月17日~18日の英国G8サミットに出席するのに合わせて、前日の6月16日にポーランドを訪問し、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの4ヵ国(ビシェグラード4=V4)と初の「V4+日本」首脳会談に出席し、日本の原発の輸出を働き掛けることも要因となっています。チェコやポーランドやハンガリーは原発を建設する計画を持っています。安倍首相はゴールデンウィーク中にアラブ首長国連邦(UAE)とトルコを訪問し、原発輸出を可能とする原子力協定を締結したため、今後も原発やインフラ輸出に向けた経済外交を展開していくことが期待されています。

日経ジャスダック平均は1,982円の103円安。新興市場のバイオ関連は続落となっています。

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