外債シフトを掲げる 日本生命、運用方針説明会

概況


大関洋財務企画部長

大関洋財務企画部長

金利見極め、現状は様子見 株式「横ばい~減少」に

大関洋財務企画部長語る

日銀の異次元緩和に伴う国債利回り急低下に、運用難の様相を強める生保各社。一部外資系証券のFXチームは「生保資金は過去最大のプレッシャーの下にある」とも指摘する。外債投資増↓円安要因の思惑も底流する中、国内生保の雄・日本生命は22日に運用方針説明会を開催。大関洋財務企画部長は以下のように語った。

「あくまでも速報ベースだが、3月末の有価証券含み益は、国内株式の2兆1,300億円(昨年3月末は9,444億円)を筆頭に計45兆7,300億円となり、前年の2兆7,042億円からは2倍以上になった。日銀の政策を受けた円安、株高の進展が利益、配当、含み益の増加をもたらし、収支や財務には好影響を与えたが、一方で、超長期国債の利回り急低下は、運用環境面の不透明感につながっている」

「20年、30年の長期にわたる保険契約を履行するため、生保の運用業務は長期的性格を持つ。同時に、予定利率に見合う運用収益を上げる必要があり、それを上回る収益を獲得して契約者配当金の増額を図るのも経営上要請されるミッションと言える。予定利率に見合わない低金利水準の際は、一時的に、そこそこスプレッドの取れる内外社債や、貸し付け、為替ヘッジ付き外債などにシフトして金利を稼ぐのも有力な選択肢。柔軟に対応していきたい」

「前年度の一般勘定ポートフォリオは、簿価ベースで1兆6,000億円の資金配分があり、中で、国内債券が2兆1,300億円、ヘッジ外債が2,600億円、外国株式等が1,900億円増加。逆に、(ヘッジを付けない)オープン外債が4,200億円、国内株式等が2,600億円の減少となった。今年度は約1兆円の資金流入を想定。このうち7割を、国内債券、一般貸付にヘッジ外債を含めた『円金利資産』に充てる方針だ」

「2年後にインフレ率2%となるなら、長期債利回りも2年後に2%以上になるとの読みも働く。単純に足元の金利が低いから対象外、とはならない。当面は逆ザヤでも、待機していて金利の上がったところを買いにいくという手もある」

「現状は様子見。マーケットの変動性が増しているため、金利動向がどうなるか見定めている段階にあるが、低金利水準が続くなら、結果的に、ヘッジ外債やオープン外債の比重が増加することになるのではないか。ヘッジ外債は、主に先進国の発行する、流動性や健全性の高い債券が対象。これまで(株高と同様)円安進行ピッチが早かったため、現在の為替水準では慎重に見ているが、押し目があればオープン外債も買っていきたい」

「今年度の運用方針として、構内債券は、金利水準を踏まえ『増加を抑制』。ヘッジ外債とオープン外債は『金利・為替水準を勘案しつつ配分を調整』、内外株式は『横ばい~減少』、不動産は『横ばい』としている」

「株式は、中長期的なポートフォリオの収益性向上に向け、個別銘柄の割高・割安を見ながら銘柄入れ替えを随時進めていく。ポートフォリオ分散の観点から海外株式へのシフトも進みそうだ」

「マーケット環境の見通しとして、来年3月末の日経平均が1万500-1万5,500円(中心値は1万3,500円)、ニューヨークダウが1万4,000-1万7,000ドル(同1万5,500ドル)、1ドル=93-103円(同98円)、1ユーロ=117-137円(同127円)、10年物国債0.3-0.9%(同0.6%)を現時点で想定している」

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