ホンネで迫る!! ブラインドインタビュー TPP参加は“諸刃の剣”

インタビュー 概況


外人ウケ良く、株高要因に ルール作りでは蚊帳の外?

今回は話題のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)。

市場関係者A 「与党自民党は2月末、『TPPに関して守り抜くべき国益』をまとめた。(1)農林水産品の関税(米、麦、牛肉、乳製品、砂糖などが再生産可能となるよう除外または再協議の対象となること)、(2)食の安全安心の基準(残留農薬・食品添加物の基準、遺伝子組み換え食品の表示義務、入原材料の原産地表示、BSE(牛海綿状脳症)基準などで食の安全安心が損なわれないこと)、(3)国の主権を損なうようなISD条項=ある国の規制変更などによって外国の企業や投資家が損をした場合、相手国政府に損害賠償を提起できる条項=に合意しないこと)――など6項目を挙げたね」

市場関係者B 「今後の“条件闘争”に負けるようなことがあれば、与党・政府は『守るべき国益を守れなかった』ということになるね」

市場関係者C 「そもそも“闘争”できるのか? 先に交渉を始めた米国など9カ国が、遅れて交渉に参加したカナダとメキシコに対し、交渉権を著しく制限した条件を課したそうじゃないか。具体的には、カナダとメキシコは、『遅れて交渉入りした国は、既に交渉を始めている9カ国が合意した事項(条文)を原則として受け入れ、再協議は認められない』『交渉を打ち切る権利は9カ国にあり、遅れて交渉入りした国には認められない』といった条件を呑まされた」

市場関係者A 「TPP交渉参加11カ国は、関税撤廃や知財保護など21分野でルール作りを急いでおり、8分野で交渉終了が見えている様子。仮に日本が3月中に交渉参加表明しても、実際の交渉に臨めるのは早くとも9月からになるようだ。米国は年内の交渉妥結を目指していることも踏まえると、実質的に日本は“ルール作りの蚊帳の外”――という可能性もあるようだね」

市場関係者C 「そもそも、TPPってどうなんだ? ストラテジストのレポートを眺めると、TPP賛成派が多いようだが」

市場関係者B 「売買シェアの高い投資家が好感する事柄は株高につながり、嫌気する事柄は株安につながる。現在、売買シェアの高い投資家は外国人投資家。つまり、TPP→外人ウケがいい→株価上昇要因→TPP賛成、ということ。物事の是非で判断されていない」

市場関係者A 「そんな中、RBS証券は、『TPPの枠組みは日米を中心としたものであり、かつ、主要品目の関税率が既に低水準にあることを踏まえると、関税撤廃をもって輸出が拡大する効果は限られよう。それ以上に、日本が国際競争上、既に競争劣位に立たされている工業品目が増えていることを踏まえると、ものづくりを国内で維持する限り、関税撤廃によって安価な部品を海外からより多く輸入・調達することにつながりかねず、貿易収支はむしろ悪化する。こうした財の取引だけでなく、サービス取引や資本取引など、いずれも収支改善より収支悪化につながりやすい』などと指摘している」

市場関係者C 「そもそも、なぜTPPなのか?」

市場関係者A 「アメリカ様に言われたから。ただそれだけ。TPPの本質は、グローバル大企業の地位を上げる仕組み。泣くのは庶民。TPP交渉が“秘密主義”なのも、オープンにしたら反対派が増えるからにほかならない」

市場関係者B 「経団連会長を出した住友化学にしても、遺伝子組み換え作物の種子と農薬をセット販売し悪評高い米モンサントと、農薬で連携している。米倉経団連会長がTPPに前のめりなのも、そういう事情と無縁ではない」

市場関係者A 「4大紙+日経はTPP賛成。東京新聞+地方紙はほぼ全面反対だね。震災、原発事故後、“米国追随”“政府発表”に疑問を持つ人が増え、不満が渦巻いている。古今東西、庶民の不満爆発のきっかけは物価高。政府は賃上げ誘導に躍起だが…」

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