JACK流「勝利の方程式」 株主優待戦略 その5 「一般信用」で逆日歩リスク回避 対象銘柄や証券会社は限定 ネット系など4証券が対応

概況


いよいよ、一番銘柄数が多い3月末の株主優待に向けて、こちらの連載も佳境に入っていきます。

前回は「制度信用取引」の逆日歩のリスクについて掲載しましたが、実はもう1つ、その対策として、カラ売りやつなぎ売りをできる手法として、「一般信用取引」があり、こちらは、投資家と証券会社の間で結ぶ契約になります。

この場合、投資家は証券会社から借りた資金に金利を上乗せして返済する必要があります。つまり銀行に借金して返済するのと同じような感覚です。投資家は証券会社との取り決めですから、金利や返済の期限などは証券会社側で自由に決められます。

また、「制度信用取引」と比較して、手数料や金利の違いこそありますが、絶対的な強みとして「逆日歩」が生じないことに妙味があります。

早速、前回の伊藤園を例にとって比較してみたいと思います。

1,102円で100株の購入して、優待品として1,500円相当の飲料詰め合わせの獲得した場合――。

【制度信用取引】
現物買い手数料=219円、信用売り手数料=217円、貸株料=41円、逆日歩=12円×4日×100株=4,800円、消費税= 24円。合計5,301円になります。

【一般信用取引】
現物買い手数料=315円、信用売り手数料=315円、貸株料=11万200円×2.0%÷365日×30日=181円(権利日の1カ月前にカラ売りをした場合)。合計811円(他に諸経費が掛かりますが微々たる金額のため省略します)。

このように、一般信用取引で対応した場合には十分に黒字というか、利益になるのが分かると思います。さらに、証券会社によっては、信用取引口座開設6カ月以内や10万円までの約定代金が無料というケースもあります。

以上のことから、やはり逆日歩のリスクがある制度信用より一般信用での対応が一番いいと思われるかもしれませんが、実は、この一般信用にも、いくつかの欠点があります。

1つは、この信用取引の一般信用に対応している証券会社が少ないということです。一般的には、手数料の絡みもあって、信用取引をする方は、証券会社の窓口や電話で担当やオペレーターに注文をするのではなく、ネット証券を利用して、パソコンや携帯電話の画面で自分一人で対応する方がほとんどですが、この「一般信用」に対応している証券会社は、私の知る限りでは、カブドットコム証券、松井証券、大和証券、岩井証券の4社になります。つまり、すべての証券会社でできるものではないということです。

次に、一般信用で売りができる銘柄の数が限られているところになります。これは、そもそも信用取引の世界で、一般信用として用意できる株券の数が少ないことと、逆日歩という手数料が掛からないという安心感から競争率が高くなり、優待内容で人気があるものについては、権利日の前日に余っていている(信用売りができる)銘柄は、ほとんど見かけなくなっているのが実情です。

そのあたりの対策方法としては、優待の権利日の1カ月以上前から仕込めば、そこそこに対応はできるものですが、その分、長く株券を借りていることになりますので、貸株料と言われるところのコストが余分に掛かってくることになります。そのあたりも計算に入れて、信用売りをするタイミングというか、収支を図る必要性があります。

なお、前述した4社で比較すると、銘柄の数が多いのはカブドットコム証券や松井証券です。

私も、自分の欲しい優待銘柄で株価が高値圏にあり、このタイミングで現物の買いのみを入れることにちゅうちょし、まだ仕込んでいない状況、そして、高額な逆日歩がつく可能性がある銘柄においては、一般信用でのカラ売りを織り交ぜての獲得を選ばざるを得ませんから、毎日おのおのの証券会社のホームページにログインして、残数があるかの確認だけはしているところです。

次回は、そのほかの優待獲得におけるリスクについて掲載したいと思います。

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