概況/大引け イタリア総選挙で緊縮策の中道左派連合が上院では過半数を取れず。連立工作が不調なら再選挙も警戒され、ユーロ安、NYダウ下落。円高警戒で東証も調整。

概況


TOPIX 15分足 MA(25/75)

TOPIX 15分足 MA(25/75)

大引けのTOPIXは966.77ポイントの13.93ポイント安、日経平均は11,398.81円の263.71円安。東証1部市場の値上がり銘柄数は366、値下がり銘柄数は1,253。出来高は39億447万株、売買代金は2兆2,120億円。

イタリアの総選挙でモンティ政権による緊縮策を支持してきた民主党など中道左派連合は下院で過半数を確保しましたが、上院では過半数割れとなりました。

イタリアでは上下院共に同一の党が過半数を獲得することが政権発足に必要なので、下院で勝利し
た中道左派連合は緊縮策の緩和を掲げるベルルスコーニ前首相の中道右派連合との連立工作に入りますが、不調なら再選挙もありうることが警戒されました。

イタリアの失業率は12月時点で11.2%で、15~24歳の若年層では36.6%に上り、モンティ内閣が発足した一昨年11月の30.1%から6.5ポイント増加しています。高い失業率や緊縮財政による増税や年金支給年齢の引き上げなどに対する国民の不満の強さが、今回の選挙結果にも表れているので、欧州債務危機が解消するまでの道のりの険しさを、市場に改めて認識させることになりました。

欧州不安により昨日の海外市場ではユーロが売られ、ドル円相場は一時1ドル=90円80銭台まで円高が進み、NYダウは216ドル安の13,784ドルと売られました。東京市場では1ドル=92円前後の取引となっていますが、リスクオフによる円高への警戒感から東京株式市場も売られました。

米国は給与税減税の期限切れによる増税が消費者心理を低下させているので、米国政府にとってもユーロ安がもたらすドル高は、米国企業の輸出競争力を損なうため、望ましい状況ではなく、円安批判が高まり易いことには留意が必要という意見も聞かれました。

円高警戒で日産自動車や本田などの自動車株が売られ、欧州売上高比率の高いダイキン工業(6367)やテルモ(4543)なども軟調。

一方、日本は新たな新総裁の下で、日銀がより大胆な金融緩和策を講じるという期待から、三井不動産や三菱地所などが値上がりを継続しました。

ドイツ証券は三井不動産(8801)の投資判断を「Buy」継続で、目標株価を2,200円→2,400円に引き上げましたが、東京の商業店舗賃料(月額・1坪あたり約25万円)は、香港(同約94万円)やニューヨーク(同約60万円)に比較して極端に安価と指摘しています。三井不動産は商業施設の売上高が、賃貸セグメントの約31%を占めており、日本がデフレを脱却した場合、商業施設が業績拡大の牽引役の1つになると紹介しました。

TPPに参加すると、安い農産物の輸入が増え、国内の農林水産業の生産額は最大3.4兆円落ち込む試算から、政府は農業支援策を検討すると報じられ、日本配合飼料(2056)や協同飼料や、米穀卸のヤマタネが買われました。輸入増加で、東洋埠頭(9351)も物色されました。

日経ジャスダック平均は1,605円の9円安。バイオ関連は免疫生物研究所(4570)やラクオリア創薬(4579)は買われましたが、プレシジョン・システム・サイエンス(7707)やジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(7774)は売られました。

中国の大気汚染で出荷が拡大していたマスクの興研や重松製作所も手仕舞い売りに押されました。

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