概況/大引け 安倍首相がTPP交渉参加を近く表明することや、日銀総裁に古くからのインフレ目標論者の黒田東彦アジア開発銀行総裁と、副総裁にリフレ派の岩田規久男学習院大教授を起用する案が報じられ、全面高。

概況


日経平均 15分足 MA(25/75)

日経平均 15分足 MA(25/75)

大引けのTOPIXは980.70ポイントの17.22ポイント高、日経平均は11,662円の276円高。東証1部市場の値上がり銘柄数は1,368、値下がり銘柄数は252。出来高は33億6,536億円、売買代金は2兆132億円。

安倍首相が22日の日米首脳会談を受け、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉参加を近く表明すると報じられたことや、白川日銀総裁の後任に、古くからのインフレ目標論者の黒田東彦アジア開発銀行総裁(元財務官)と、副総裁にはリフレ派の学者の岩田規久男・学習院大教授を起用する案が報じられ、週明けの東京株式市場は全面高となりました。

TPPは自民党内にも反対が多く、農業団体の反対から、参議院選挙の前に参加表明は難しいと見られていましたが、米国には自動車、日本にはコメなどの農産物とすぐには関税を撤廃しにくい品目(センシティビティー)が存在することを日米がお互いに認めたため、難航分野の切り離しにより、TPP参加への道が切り開かれました。

TPPに参加した場合、国内の農産品が輸入の増加で圧迫されるマイナスの影響よりも、多くの分野で輸出が増えるプラス効果が大きく、GDPは約3兆円(0.5%程度)押し上げられると政府では試算しています。

野村証券では日本政府のTPP参加方針について、従来の政権で進められなかった政策を進めることができれば、アベノミクスへの信頼感を高めるきっかけとなるだろうと述べ、2013年末の日経平均の目標株価を12,500円→14,500円に引き上げました。

TPP参加により貿易量が拡大するという期待で海運株が買われました。川崎汽船(9107)はモルガンスタンレーMUFG証券が、海運業界のトップピックの銘柄と紹介し、投資判断を「Equal-weight」→「Overweight」に、目標株価も100円→360円に引き上げました。

冷蔵倉庫のニチレイ(2871)は農産物と食品輸入が拡大することで、業績拡大機会が生じると期待されました。

 

TPPで牛肉の関税(現在38%)が引き下げられると、日本ハム(2282)には国内養豚農場でマイナスが生じる可能性がありますが、牛肉消費拡大のプラス効果が上回る可能性があると期待されています。

外食最大手のゼンショー(7550)は牛丼チェーンの「すき家」と「なか卯」やファミリーレストランの「ココス」や「ビッグボーイ」を経営しているため、大手スーパーを除くと、輸入牛肉使用が最も多く、牛肉関税の引き下げのプラス効果が大きいと期待されました。

安い農産物が流入してくることに対抗して、日本の農業の競争力を高める政策も期待され、除草剤散布装置や肥料散布装置などを生産している丸山製作所(6316)がストップ高となり、井関農機も物色されました。

日銀の新総裁への就任が打診された黒田アジア開発銀行総裁は古くからのインフレ目標論者で、最近も「日本には山のように国債や社債などの金融資産や証券が何百兆円もあるのに、日銀が市場から買い入れているのは100兆円に過ぎない」と述べ、緩和策を強める必要性を主張しています。
大胆な金融緩和策に期待して、ケネディクスなどの不動産関連も買われました。

日経ジャスダック平均は1,614円の16円高。再生医療関連のジャパンティッシュエンジニアリングが高く、ラクオリア製薬(4579)はグループが保有する「EP4拮抗薬」が欧州で物質特許査定を受けたと発表したことが有望視され、ストップ高買い気配を続け、大引けで比例配分となりました。

東証マザーズ市場のインターアクション(7725)は太陽光発電システムを国内で販売する子会社のBIJが、欧州の投資会社2社と合同で国内で発電システムを設置すると発表し、ストップ高となりました。

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