投信買い、復活への道 ラップ向け設定が主体

概況


“個性派”も相次ぎ登場 18日「なでしこ銘柄」発表

このところ売り越し基調を続ける個人に歩調を合わせる格好で、投信も直近2月第3週(16―20日)まで、4週連続の売り越しとなった。これは昨年10月第1週以来のことだ。とはいえ、今後は新規設定も増えてくるため、そろそろ買い越し転換も期待したいところか。

向こう1カ月ほどの設定スケジュールは表の通り。一見すると「設定ラッシュ」に映るが、よく見ると、10、12日設定の都合9本には、いずれも「SMA」の名が付されている。証券会社や信託銀行に資金の運用や管理を一任するラップ口座(ファンドラップ)向け専用ファンドだ。

富裕層など個人の預貯金取り込みの“受け皿”となる同口座は、近年、先行する大和証券と追撃する野村証券などで急拡大中とされる。10日設定分は大和向け、12日設定分は野村向けだ。表では、「日本株投信」のみ取り上げたが、実際には、海外株式、債券などもラインアップされている。それでも本数ベースで日本株の比重が高い。

また、往年の“1兆円ファンド”として知られる「ノムラ日本株戦略ファンド」をはじめ、既存の有力ファンドとの同名ファンドが目立つ。例えば、純資産額592億6000万円(1月末)の「JPM中小型株オープン」を運用するJPモルガン・アセット・マネジメントによれば、「投信は新規に設定するが、既存ファンドと同じ戦略で運用していく」とのこと。

証券会社の営業姿勢転換もあって、従来のように「大手の剛腕による大量販売、大型設定」といった展開は期待できないが、支店サイドの地道な努力によって、着実な資金吸引が想定されてきそうだ。

なお、13日以降設定の3本はいずれも特色がある。

あおぞら投信の「あおぞら・日本株式フォーカス戦略ファンド」は、ファンダメンタルズ分析重視で、「企業の本源的価値に比べ株価が過小評価」されている15銘柄程度に集中投資するもの。

大和投信の「女性活躍応援ファンド」は、「女性の活躍により成長することが期待される企業」に投資する。今月18日には、経済産業省自ら「環境変化への適応力があるという点で、『成長力のある企業』であるとも考えられます」と指摘する「なでしこ銘柄」発表を控えていることもあり、注目されそう。

新光投信の「新光・シラー・ケープ日本株式戦略ファンド(リスクコントロール付)」は、2013年にノーベル経済学賞を受賞した、ロバート・シラー・米イェール大学教授の開発した手法(ケープ・レシオ)をベースに、長期的な企業収益に対して割安で上昇期待の高い業種、銘柄を組み入れていく。

現状での口座稼働率停滞も指摘されるNISA(少額投資非課税制度)だが、今後の巻き返しに向けても“主戦場”となるのは、やはり投資信託。引き続き投信の動向からは目が離せない。

今後設定の予定される主な日本株投信 
設定日 運用会社 ファンド名
3月10日 大和住銀投信投資顧問 J・ファンダメンタル・アクティブ(SMA)
3月12日 野村アセットマネジメント リサーチ・アクティブ(野村SMA/EW)
野村アセットマネジメント 野村日本株インデックス(野村SMA/EW)
野村アセットマネジメント ノムラ・ザ・セレクト(野村SMA/EW)
野村アセットマネジメント ノムラ日本株戦略ファンド(野村SMA/EW)
野村アセットマネジメント ストラテジック・バリュー(野村SMA/EW)
野村アセットマネジメント 野村ジャパンドリーム(野村SMA/EW)
JPモルガン・アセット・マネジメント JPM中小型株オープン(野村SMA/EW)
シュローダー・インベストメント・マネジメント シュローダー日本ファンド(野村SMA/EW)
3月13日 あおぞら投信 あおぞら・日本株式フォーカス戦略ファンド「愛称:しゅういつ」
3月31日 大和証券投資信託委託 女性活躍応援ファンド「愛称:椿」
4月7日 新光投信 新光・シラー・ケープ日本株式戦略ファンド(リスク・コントロール付)

 

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