「社長交代」発表に関心 企業変革のサインにも

概況


三菱ケミカル、ROE重視へ

2015年の投資テーマの1つに「経営者の意識改革」が挙がる現状で、経営トップ交代は、これまで以上に注目度が増すことになりそうだ。

そして、ここ2週間ほどで、社長交代発表が相次いでいる。発表と同時に新社長が就任したタカタ(7312)エナリス(6079・東マ)は不祥事企業特有の例外パターンで、ほかは、来年1月や4月など区切りの時期での交代となる。

三菱ケミHD(4188) 週足

三菱ケミHD(4188) 週足

12月15日の週の発表は、王子HD(3861)ヤマトHD(9064)。22日の週の発表はキリンHD(2503)イハラサイエンス(5999・JQ)日本郵船(9101)近畿日本鉄道(9041)三菱ケミカルHD(4188)など主要企業に発表が目立つ。このほかに、AOI Pro.(9607)は社長が病気入院中のため、現専務の社長業務代行を発表している。

それでは、なぜ社長交代が注目されるのか。「若さ」を尺度にするなら、11月に発表された、来年4月就任予定の卑弥呼(9892・JQ)新社長は47歳。先に就任したタカタ新社長は48歳。来年4月就任のヤマトHD新社長は53歳といった具合だ。不祥事辞任以外の多くの前任社長は「代表取締役会長」に就任するケースが一般的だが、代表権を持たない会長に退くのはキリンHD。これなら、来年3月末の新任社長も腕を振るいやすいことだろう。

ウィークリーレポートの特集で、「2015年の新社長に注目」とした、みずほ証券が注目を寄せているのは、三菱ケミカルHDの社長交代。25日に、傘下の三菱レイヨン・越智仁社長が来年4月社長就任すると発表されている。この人事のどこが注目されるのか。

約8年間にわたって務めてきた小林喜光社長は「ROE(自己資本利益率)経営の追求だけでは限界がある」などと発言してきたにの対し、越智新社長は就任会見で「前3月期に3.7%だったROEを2021年3月期までに8%に引き上げる」との目標を掲げたためだ。みずほレポートによると、小林社長は「来年4月に経済同友会代表幹事に就任し、財界活動に忙しくなるため、会社経営は新社長に任される可能性が高い」とされ、ROE向上に向けた動きが本格化してくる可能性がある。来春の社長交代人事の発表は今後も相次ぎそうで、企業変革のキッカケになるのかどうか、注目は怠れないところだろう。

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