衆院選前に語られていた“もう一つのストーリー”

概況


15年 1ドル=100円割れも 16年から日本“独り勝ち”

14日の衆院選前、一部市場関係者の間で、「原油安を起爆剤に世界市場変調→日本株安・円高」というシナリオがささやかれていた。

市場関係者A 「ウクライナで飽き足らずクリミアにも手を突っ込もうとした米国に怒り覚え“肉を切らせて骨を断つ”覚悟でロシアは、原油を取り巻く環境変化やイスラム国問題、イスラエル問題などに危機感持つOPEC(石油輸出国機構)とともに、米国を追い込む構えのようだね。米シェールオイルの採算割れの原油価格が続けば、米国のシェールオイル設備はバイオエタノール設備と同じ末路をたどり、不良債権化も想定される」

市場関係者B 「米国経済好調の一因に設備投資があり、中でシェールオイル関連が伸びていたが、シェールオイル採算割れラインの原油価格が続くようなら米国は設備投資が落ち、銀行の不良債権が増加。同国はデフレ転落を避ける粘りももはや限界に来ており、このままいけば米国株は2015年12月ぐらいまで低迷する可能性も」

市場関係者A 「安倍首相も衆院選で勝ったら勝ったで15年は大変。統一地方選があるほか、原発再稼働問題、集団的自衛権など民意割れる課題が待ち構え、さらに消費税率10%に向けた地ならしが必要。これらを覆い隠すには『株価と給与の引き上げ』しかないが、日経平均1万8,000円→2万円となっても上昇率1割で、それでは物足りない。3割高の2万5,000円ぐらいまで上がらないと国民の目はごまかせない」

市場関係者B 「そうはいっても、2万5,000円に引き上げる良い手はなかなかない。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は買っても100兆円。高速売買で1週間で100兆円を回すヘッジファンドにかなわない」

市場関係者A 「日本株高の条件は、主に(1)円安、(2)米株高――の2つだが、15年は為替サイクルから1ドル=100円割れが想定される。NYダウと日経平均の関係性からすればNYダウも2万5,000ドルが求められるが、先ほど申し上げた理由から期待しにくく、為替想定も踏まえると、日経平均は来年、1万5,000円割れを意識する局面もあろう」

市場関係者B 「そうだな。ただ、米、EU(欧州連合)、豪など先進国でエネルギー自給率(原子力を除く)が5%程度にとどまっているのは日本ぐらいで、原油価格など資源価格下落のマイナスインパクトは相対的に乏しい。欧州、米国、中国の3極はデフレも、日本はデフレから足抜けするタイミング。16年からは少なくとも日本はパラダイスなんじゃないか。安倍首相が実利ある南樺太のロシア共同利用といったカードを切ってくるかも注目される」

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