話題 12月IPO主幹事シェア 大和35%、野村を上回る

IPO 概況


「やや難アリ」の銘柄も 選別徹底を

12月IPO(新規上場)28社の証券会社別主幹事占有率で野村証券を凌駕(りょうが)した大和証券(10社・占有率35%)が、IPO関係者の間で何かと話題。

大和証券はヤフー、楽天、サイバーエージ、DeNAの主幹事を務めるなど、もともとIT系に強いが、今年もリアルワールド(3691・東マ)クラウドワークス(3900・東マ)と新規性に富むクラウドワークス事業者や、オプティム(3694・東マ)など有望株を市場に送り出し、面目躍如といったところ。

また、同社が主幹事を務めるUSENの兄弟会社・U-NEXT(9418・東マ)もがっちりキープ。GMOリサーチ(3695・東マ)GMO TECH(6026・東マ)もそろって主幹事を務めることから、彼らの親会社・GMOインターネットも主幹事は大和と思いきや……実は野村証券。GMOグループの上場子会社を追うと、主幹事は、ライブドア・ショックあたりを境に「野村」から「みずほ」に切り替わり、リーマン・ショック以降は「大和」と変遷。これには「“親子上場の是非”を巡る議論も影響しているのであろう」(市場関係者)との見方が聞かれる。

それにしても、「月間IPO10社」とはすさまじい。市場からは「大和証券は市況に乗じ、IPO主幹事獲得競争で野村証券に水をあけられるというマイナスイメージの払しょくも視野に、“上げられる案件は上げていく”スタンスに変化したようだ。結果的にやや難点のある案件が含まれている可能性がある。市場に投資判断を“投げる”のは1つの考え方とは思うが、それが行き過ぎると、市場の信頼を再び失うことになりかねない」と厳しい意見も。

市場からは「分かりやすいところでは、複数の民事訴訟を抱えるMRT(6034・東マ)。小型案件なのにそれでいいのか疑問。カヤック(3904・東マ)も、ようやく上場してくるかと思えば今期売り上げ横ばい・減益予想。『ベンチャーキャピタル(VC)の出資価格が想定発行価格より高い』とされ、推測の域を出ないが、ファンドの満期到来などVC都合のIPOの可能性がある」。

12月のIPOラッシュは、エナリス(6079・東マ)が延長した第3四半期報告書の提出期限(12月12日)とも重なる。エナリス問題の成り行き次第ではIPO市場への影響波及も想定され、例年人気が盛り上がる12月IPO銘柄といえども選別を徹底した方が良さそうだ。

なお、12月IPO案件の上場承認は前週末(11月21日)をもって一巡。12月案件は「28社」で、月間IPO件数としては1999年以降で、2005年12月の「32社」、00年・01年・06年12月の「30社」に続く過去3番目の高水準となる。

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