日銀会合 基本路線は「変更なし」の見通し

概況


日銀は31日の金融政策決定会合で基本的な現状維持の政策運営が決定されそうだ。今回は同時に向こう3年間の日本経済のシナリオやリスク要因、実質成長率と消費者物価(CPI)の見通しを示した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」が公表される。展望リポートについてはかなりの議論がなされよう。

今回の金融政策決定会合の焦点は、実質GDP(国内総生産)成長率、コアCPIインフレ率の政策委員見通し(中央値)が、どの程度下方修正されるか。しかし、日銀が、政府に先行して景気・物価判断を大きく修正することは難しいとみられ、下方修正は限定的で、政策運営は基本的に従来のスタンスが踏襲されるとの見方が多い。

28日午前の参議院財政金融委員会で、岩田日銀副総裁が「2年で2%のインフレ目標達成には不確実性がある」とやや弱気の姿勢を見せたのをよそに、黒田日銀総裁は従来の主張を繰り返した。例えば、「見通し期間の半ばごろに2%物価目標達成濃厚」「消費者物価1%前半しばらく続き、その後年度後半は上昇する予想」「何らかの下ブレあれば躊躇(ちゅうちょ)なく政策調整」「量的質的緩和は効果を発揮」「トータルで見ると円安は日本経済にとってプラス」など従来とまったく同じだ。

黒田日銀総裁のこの発言を踏まえても、修正に動くとは考えにくい。数値の修正に迫られるのは、日本経済にとってよほどの条件悪化が生じた時とみられる。

最近の日本の景気動向から実質GDP成長率を従来のままにしておくには無理があり、こちらは下方修正に迫られよう。一方で「2年で2%」のインフレ目標達成は下ろせない。CPIに最近の原油価格下落によるエネルギー価格下押しを見通しに反映させざる得ないとの声が多い。日銀が、原油価格下落を主因に向こう半年程度のコアCPI見通し(「今年度後半から再び上昇傾向をたどる」)を下方修正する可能性はある。しかし、2015年後半にかけてのコアCPI の予測パス――見通し期間の中盤ごろ(15年度7-9月期ごろ)に2%程度に到達――を変更することはないと指摘する声が多い。原油価格下落のCPI押し下げ効果については、家計実質所得・消費改善、交易条件改善などによって需給ギャップを改善させる可能性があるからで、この主張を前面に出すことが考えられる。

コアCPIインフレ率見通しの一時的な修正はあるにしても、基本路線には変更がない可能性が大きい。

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