当面は「公共投資関連」「機械」「増額&株主還元」をピックアップ 内藤証券 投資情報本部 田部井美彦・投資調査部長

概況


12月以降に上昇相場がスタート

田部井美彦氏

田部井美彦氏

■マクロ環境悪化

米国は景気堅調である一方、日本は在庫がリーマン・ショック前に並ぶ水準に達しており、国内生産は当面落ちる。ファンダメンタルズからしても方向としては「円安・ドル高」。円はドルに対してのみ安く、米国向け輸出は期待できるが、欧州および新興国向け輸出は期待できないのではないか。

なお、中国はかつては消費者物価指数が上昇し過ぎてインフレに悩んでいたが、いまや同指数の上昇率は2%に低下。住宅価格は前年同月比でも前月比でも弱含み基調が加速しており、金融政策の重要度が増してきている。物価上昇率が低下していることから金融緩和などを行いやすい状況といえる。

■本格上昇は12月に到来

マクロ環境の悪化や円安デメリットへの懸念から、日本株の円安への反応も鈍化傾向。1円の円安で日経平均は、アベノミクスの初期は「327円高」となったが、6月以降は「100円程度」しか上がらなくなってきている。

例年11月はヘッジファンドの本決算を迎え「荒れる月」だが、米カルパースのヘッジファンド投資停止に代表される年金基金の運用見直しも踏まえると、11月中旬ぐらいまでヘッジファンドの売りが結構出てくるのではないか。最高値圏にある米国株への警戒感、米金融緩和終了を見据えた米国株ポジション調整への警戒感なども勘案すると、日本株は需給悪化で目先は調整局面とみている。本格上昇は12月に到来、年末で日経平均1万6000円台を想定している。

■当面の投資戦略

「銀行」「鉄鋼」「海運」などのセクターは、対TOPIXで年初来の相対パフォーマンスが明らかに低調。これらセクターはあまり手を出さず、やるなら短期で。「輸送」はここもと堅調だが、輸送は海外のプラスを国内のマイナスで打ち消す懸念もあり、7-9月期決算で状況を確認したい。

一方、「中小型株」「電機・電子部品」「建設」セクターは、対TOPIXで年初来の相対パフォーマンスが良好。マクロ環境が悪化する中、政府が打てる景気対策はやはり公共投資。公共投資関連は年度末に向け何度も注目されよう。また、人件費上昇対策の観点から機械投資は景況感に関係なく続いている。円安メリットも享受できる「機械」セクターも要マークだろう。

このほか、「9月上期決算で上方修正・株主還元が期待される銘柄(=4-6月期の進ちょく率が高く、配当性向が低い主要企業)」に目を配りたい(表参照)。

■来年1月下旬に日経平均1万7000円台へ

来年1-3月は上昇局面が本格化しよう。「日銀による追加緩和策の実施と金融政策の先行き見通しの公表」「消費増税シフト効果の表面化と円安効果の本格化期待」「米国の雇用改善や賃金上昇を伴ったドル高、米国株上昇」が上昇の原動力。

企業は輸出量の3-5割を為替予約しているケースが多く、予約期間としては3カ月が多い。9月からの円安進行による恩恵は、14年7-9月期決算において連結決算で円換算した際の帳簿上のメリット以外は乏しいだろう。円安メリットが出るとすれば来期だ。

9月上期決算で上方修正・株主還元が期待される主要企業
銘 柄 コード 進捗率(※) 前期実績
PBR(倍)
今期予想
配当性向
通期予想
純利益の変化率
日立ハイテク 8036 78.8% 1.4 16.1% 42.0%
不二油 2607 76.1% 1.1 24.8% 10.2%
バンナムHD 7832 72.7% 2.1 18.8% 11.8%
ミライトHD 1417 70.9% 0.8 19.6% 15.5%
東海理 6995 64.4% 0.9 21.4% 13.0%
日触媒 4114 63.4% 0.9 22.3% 90.4%
ガイシ 5333 61.3% 2.2 21.8% 44.2%
アイカ 4206 60.3% 1.5 27.8% 14.3%
航空電子 6807 56.5% 2.3 13.4% 27.1%
特殊陶 5334 56.2% 2.0 17.2% 23.8%
※9月上期純利益計画に対する4―6月の進捗率
※内藤証券作成資料を基に編集

 

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