市場関係者に聞く IPO座談会 番外編

IPO 概況


――2015年IPO(新規上場)は3ケタ大台乗せがいよいよ視界に入るとなればIPOも復活本番。IPO発掘部隊や公開引受部隊はさぞかし忙しいことだろう。本紙25日付1面で「IPO座談会」を掲載したが、今回はその番外編をお届けする。

市場関係者A「うれしい悲鳴、といったところ。ただ、IPO案件増加に公開引受関連部門の人材教育が追い付いていない証券会社も出てきており、その弊害が顕在化しているところもあるようだ」

市場関係者B「これまでIPO件数が少ない年が続いたからね。習熟度が低い人も少なくない。ここ3、4年の公開引受業務歴では経験値が足らず、やはり10年選手ぐらいでないとな」

市場関係者C「大和証券はIPO候補を発掘しても公開引受の担当者がなかなか付かず、3カ月待ち、下手をしたらそれ以上待たされるとも。企業が待ちぼうけを食らっているのも、キャリアがあり企業の面倒を見られる人が少ないからか。待ちくたびれて、ほかの証券会社に主幹事を切り替える企業も出てきているとか」

市場関係者A「SBI証券は相変わらず、IPOでの5大主幹事証券(野村、大和、SMBC日興、みずほ、三菱UFJモルガン・スタンレー)の網からこぼれた企業をたくさん囲い込んでいるが、結局、IPO出来ないままの企業が少なくないとも」

市場関係者B「前々から東証もSBIが持ち込む案件は慎重に審査しているようだ。SBIはセールストークは良く、SBIHD代表取締役の北尾吉孝氏をすぐに引っ張り出し、IPO候補の経営者とゴルフをさせたりしてその気にさせるのだが、その後がよろしくない」

市場関係者C「野村証券はさすがに手持ちの案件を数多く抱えているようだ。ただ、『仕事の仕方が機械的になっている』という声も聞く。公開引受部が企業と一緒に汗をかいて手とり足とりやるのではなく、IPOコンサルにやらせて、それをチェックする――そんな状況になっているようだ。大型案件や大事な案件に人を張り付けないといけないから、そうならざるを得ないのだろう」

市場関係者A「銀行系のみずほ証券は、図らずもタイミング良くみずほインベスターズ証券と合併して人が増えたため、大和証券のようなことは起きていないようだね。同じく銀行系のSMBC日興証券は公開引受部門にベテランが少なく、ベテランに当たればいいが、キャリアの浅い人が担当になると結構ツライことになるようだ」

市場関係者B「IPO営業では、みずほは証券と銀行が協働、日興は銀行からの紹介案件のウエイトが高く、どちらかといえば銀行主導型と聞く。三菱UFJモルガン・スタンレーは、モルスタが入っているため大型案件を好み、ベンチャー案件の獲得に積極的ではないね」

市場関係者C「ネット系では、マネックス証券もグループ企業などを通じベンチャー投資を結構やっている。今月も、“鮮魚流通のアマゾン”を目指す『八面六臂(ろっぴ)』に出資した。IPOにつなげる狙いなのだろう」

市場関係者A「マネックスグループの松本大会長は、ベンチャー経営者からのウケがいい。松本氏は創業者だし、通じ合うところが多いのだろう。先ほどBさんからSBIの北尾氏の話が出たが、北尾氏クラスの経営者と接点を持てることを素直に喜ぶベンチャー経営者は少なくない。それ以外は…。かつての野村証券の“大田淵・小田淵”が代表格だが、昔は証券会社の社長にオーラがあった」

市場関係者B「その野村はなんだかんだいってIPOでも強い。証券会社としての矜持を持ち続けている。“純血”の強みとでもいえばいいのだろうか。仕事に対する目線、営業に関する姿勢が違う。野村の姿勢に近づかなければ、いつまでたっても勝てない。勝とうとするなら、野村以上にフットワーク軽く動き、それを継続しないといけない」

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