概況/大引け 白川日銀総裁が退任を3月19日に早めると発表し、新総裁下での追加緩和も4月26日→4月4日に早まるという期待から1ドル=94円06銭まで円安進行。自動車や造船、鉄鋼、海運など低位大型株が賑わう。

概況


TOPIX 15分足 MA(25/75)

TOPIX 15分足 MA(25/75)

 大引けのTOPIXは968.82ポイントの29.12ポイント高、日経平均は11,463円の416円高。東証1部市場の値上がり銘柄数は1,366、値下がり銘柄数は238。出来高は46億1,684万株、売買代金は2兆8,191億円。

 白川日銀総裁が4月8日の任期満了を待たずに、2名の副総裁の任期が終わる3月19日に一緒に退任すると表明したため、円売りに拍車がかかり、一時1ドル=94円06銭まで円安が進みました。
 金融政策で無理強いを強いる安倍総理への反旗なのか、嫌気が差したのかは分かりませんが、新総裁の下での更に強力な金融緩和策の決定が4月26日の決定会合から、4月3日~4日の開催される決定会合に早まると期待されました。
 日銀の独立性が損なわれているという見地に立っても、円安要因になります。
  
 三菱UFJモルガンスタンレー証券では日銀が米国並みの物価目標を掲げるということは、これまで何十年間もドル円相場の趨勢を支配してきた領国のインフレ率格差に基づく円高ドル安圧力を除去することを間接的な目的に、金融政策を運営すると宣言したのにほぼ等しいと解説しています。
 有識者や市場参加社の間では「日銀による金融緩和の強化だけで物価目標の2%の達成は難しいと見られているので、それが故に実現が視野に入ってくるまでは、容易なことでは今の金融観測を止めにくくなるはずと見ています。

 円安メリットの享受でトヨタやマツダなどの自動車株や、韓国メーカーに対する輸出競争力の回復期待で三菱重工や三井造船や川崎重工などの造船株や、新日鉄住金や山陽特殊製鋼などの鉄鋼株や買われ、過剰流動性による株価の押し上げ効果も重なり、低位大型株が賑わいました。

 これまでの歴史的な円高とそれに伴う株安は、日本企業が海外企業の買収を行なう好機でしたが、その機会を逃さなかった企業にとっては今後、従来想定よりも早期に資金回収が進む可能性があるという見方から、2012年11月に米国の家庭用空調機器最大手のグッドマンの買収を完了させたダイキン工業(6367)は利益押し上げ効果が大きくなると期待されています。
 
 また、海運会社は海上運賃がドル建てなので、円安ドル高になると収益が拡大することと、大幅な円安に戻ると自動車メーカーが国内生産を拡大し、輸出ドライブを掛けるという期待から、自動車船の収益も拡大するという見方で、川崎汽船(9107)なども買われました。
 
 福島工業(6420)は業務用の冷蔵庫や冷蔵ショーケースを生産販売している会社ですが、節電需要に注目して、SMBC日興証券はレーティング「A」継続で、目標株価を2,200円→2,500円に引き上げました。
 食品スーパーは一般的に電力量の約半分を冷凍冷蔵ショーケースと関連空調が占めていて、営業費用における光熱費の割合は高いそうです。
 そのため、省エネ機器への補助金制度の後押しや、ESCO事業(削減した電気代で省エネのショーケースへの投資が行える仕組み)の取り組みで、着実に需要を業績に繋げていることや、関西電力や九州電力が電気料金引き上げの動きを示していることも、需要の喚起につながる可能性があると紹介しています。
 
 日経ジャスダック平均は1,610円の14円高。建設会社の佐藤渡辺が通期の営業利益見通しを5億5,000万円(前期比36.4%減益)→15億円(前期比73.2%増益)に上方修正したことでストップ高となりました。
 株式市場の活況を受けて、運用会社のスパークスグループも運用成績拡大や委託される投資資金の増加期待から買われました。
 日銀による追加金融緩和策で商品市況高ももたらされるという期待で、金採掘会社のジパングも物色されました。

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