22日から「銭単位」株価登場 対象は80銘柄(7月7日現在) 世界の潮流には逆行?!

概況


例えば、101円で買って102円で売るような短期売買は「1カイ2ヤリ」と呼ばれるが、7月22日からは、「0・1カイ0・2ヤリ」の時代が来る…。TOPIX100構成銘柄を対象にした東証の呼び値変更が波紋を呼んでいる。三菱UFJ証券が今週のウィークリーで取り上げたほか、(日経新聞に先駆けて)8日付朝日新聞が大きく取り上げるなど、一般レベルの関心も集めつつあるようだ。

表(1) 7月22日からTOPIX100構成銘柄に「銭」単位の呼値導入
株価 TOPIX100構成銘柄 その他の銘柄
現在 7月22日以降
~1,000円以下 1円 0.1円 1円
1,000円超~3,000円以下 1円 0.5円 1円
3,000円超~5,000円以下 1円 0.5円 5円

もちろん、昨日今日で決まった話ではない。1月14日には第1弾の改正が実施され、「3,000円超1万円以下」のTOPIX100採用銘柄の値動きが1円刻みに、「1万円超5万円以下」は5円刻みに、それぞれ縮小された。今回はその第2弾となるわけだが、表(1)の通り、5,000円以下の銘柄には“小数点以下”の株価が登場することが最大の注目点だ。

TOPIX100採用で
1,000円以下の銘柄
銘 柄 コード 7日終値
みずほ 8411 205円
ANA 9202 239円
新日鉄住金 5401 325円
大ガス 9532 430円
三菱ケミHD 4188 449円
三住トラスト 8309 474円
東 芝 6502 479円
J X 5020 530円
東ガス 9531 591円
横浜銀 8332 603円
りそなHD 8308 604円
旭硝子 5201 605円
三菱UFJ 8306 625円
三菱重 7011 660円
東 レ 3402 678円
いすゞ 7202 692円
野 村 8604 731円
丸 紅 8002 745円
日 立 6501 770円
富士通 6702 772円
旭化成 3407 785円
大和証 8601 897円
日産自 7201 987円

具体的に、どのような銘柄が対象になるのか。TOPIX100を構成する東証1部100銘柄のうち、7日終値で1,000円以下となったのは表(2)(低位順)の23銘柄。現状の株価なら、22日以降は10銭刻みで売買される。このほか、50銭刻みとなる「1,000円超5,000円未満」も57銘柄あり、8割の銘柄に小数点以下の株価が付く見通し。バブルの昔には「1,000円未満は1円刻み、1万円未満は10円刻み、1万円を超えると100円刻み」という大らかな時代があったが、文字通り、隔世の感といったところか。

ただし、今回引き下げ対象になるのは、あくまでも(時価総額の際立って大きい)TOPIX100構成銘柄の話だが、1,000円以下などの価格帯では、株価の刻みで他の銘柄と10倍の格差が生じることになる。当該銘柄には、どのような影響が想定されるのか。

「過去の例を見る限り、あまりいい効果があったとは言えない。ボラティリティ(変動率)が低下し、デイトレーダーにとっては、1ティック(1単位の値動き)では手数料コスト分を抜けなくなる。HFT(ハイ・フリークエンシー・トレード=高頻度取引)業者が潤っても市場流動性に厚みが増すとは言えない」(大手証券ストラテジスト)。「HFTへの風当たりが強まる米国では、従来の1㌣刻みから10㌣刻みへの移行を検討すると報じられているが、世界の流れと逆行した動き。プログラム売買には好都合だろうが、結果的に市場の投機色が強まる懸念が残る」(岡三証券・石黒英之日本株式戦略グループ長)など、市場の評価は総じて芳しくないようだ。

ちなみに、ネット証券利用者は通常、上下8本ずつの板(注文状況)を見ながら売買しているが、例えば1月実施組のファーストリテイリングの場合、従来の10分の1の「5円刻み」に変わったことで、ほぼ現値近辺で出ている売買注文しか把握できなくなり、大口個人の不興を買った経緯がある。

もちろん今回の変更にも、よりきめ細かい注文が可能になるといった利点があるし、当面、“初物好き”の市場関係者の注目を集めやすいとは言えようが、小数点以下がすんなり投資家に受け入れられるかの不透明感も否めない。先の三菱UFJ証券レポートは「TOPIX100非採用の銘柄が今後はディーリング対象に?」として、足元で商いの増加している低位株をピックアップした。300円未満はパイオニア(6773)KNT(9726)滝沢鉄(6121)プリマハム(2281)など。また、少し早いが、10月のTOPIX100入れ替えにも注目。

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