知らないと怖い不動産市場の裏 天候だけでなくサマーラリーも始まったか? -低金利映し高値抜けしたREIT市場-

REIT 概況


実需に裏付けられた強み発揮

アメリカの長期金利の低下とともに、日本の金利も低下傾向にあり、J-REIT指数は5月の中旬以降、これまでのボックス圏を抜けて年初来高値を付けている。日本国債は昨年4月に付けた0.320%に迫る勢いだ。さらに、今後、6月以降は夏のボーナス資金も入ってくるため、ある程度安定的に推移していきそうだ。

株式市場も、5月上旬は3月決算の企業の発表などがあり、やや軟調に推移していたが、円安傾向と好調なアメリカやヨーロッパのマーケットを反映し、1万4,000円を底に戻り傾向にある。前週末には、NISA(少額投資非課税制度)の非課税枠が拡大し、1人年200万円となる見通しが報じられ、個人投資家の資金が流入するとの期待感が高まった。さらに、ロイターによると、かんぽ生命は日本株の投資額を3,000億円規模で拡大予定であり、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によるウエート変更が今秋に早まりそうなこと、生保各社も今年度の運用計画で日本株への投資金額を増やす傾向にあり、結果的に日経平均は3日に1万5,000円まで回復している。これまでの外国人に頼った需給構造を脱却しつつあるのかもしれない。このまま続いてくれるといいが…。

ユナイテッドU(8960) 日足

ユナイテッドU(8960) 日足

J-REIT指数が年初来高値を更新する中、6月5日に、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(3298)が上場されるなど、市場は沸いている。IPO(新規上場)時の発行価格は10万3,000円と上限いっぱいで決まっている。第1期目はともかくとして、第2期目の1口当たりの分配金は2,555円となる見通し。分配金利回りは、5.0%となっている。日本リート投資法人(3296)でコケてしまったインデックス買いが、今回のインベスコでうまくいくのか、ゆっくり見守ってみようと思っている。今回もコケてしまうと、次回以降不安でトレーディングしにくい心境になってくる…。一方で、公募増資も活発で、前週ユナイテッド・アーバン投資法人(8960)が約200億円の増資を発表し、同時に仙台のオフィスビルの取得を発表した。これまでに取得した物件が稼働することにより、第23期目の1口当たりの分配金は2,880円と、利回りは3.6%になっている。インベスコは、ユナイテッド・アーバンと比較して、総資産等規模は大きく異なるが、投資対象が似ており、利回りも将来は良化しそうだ。結果的に、上場後のインデックス買いは、うまくいくのではないかというのが小生の予想だ。

現物の不動産市況を見てみると、こちらもすごい勢いで良化している。

三鬼商事による5月のオフィス市況を見ると、空室率と募集賃料ともに良化傾向が続いている。棒グラフを確認していただきたい。不動産に限らず、小売りでも何でも、実需に裏付けられた市場は結構強い。先月も書いたが、前回景気回復期、J-REITをはじめとした不動産銘柄は全般的に上昇し続けていた。5月後半以降の高値ブレイクにより、オフィス市況とJ-REIT指数はともに強いトレンドを示している。このまま続くのか見ていきたい。個人投資家が検討する3億円以下の収益物件に関しては、市場に投資適格な物件が少ないため、新築一棟アパートに走っているようだ。これなら土地代を含めた、建物工事代の90%程度またはそれ以上の融資額が可能で、25年から30年程度の長期で融資が引けているようだ。年収が多少あるサラリーマンが対象になっている。間口が狭かったり、地形が悪い物件にも融資が出ており、キチンとした物件の目利きが必要となりそうだ。短期売り抜けできれば問題ないだろうが、竣工時期を含めて2-3回転した時の賃料が楽しみだ。開発は、キチンと分かってる業者と組んで行った方がいい。

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