食品スーパーに再編余波 次の統合候補は

概況


イオン(8267)系列の食品スーパー再編観測報道を手掛かりに、統合対象の有力候補であるマルエツ(8178)カスミ(8196)が昨日買われた。マルエツは急伸し、2月高値更新。

イオン(8267) 日足

イオン(8267) 日足

マルエツは前2014年2月期の売上高営業利益率が1%未満。下手に投資をすると減価償却負担増で赤字、消費増税への対応を1つ間違うと赤字になりかねない状況。人件費の上昇もあり、早いうちに手を打った方がよいといわれていた。一方、茨城県地盤のカスミは、コストカットで黒字体質になったが、他県に進出するとコスト高となり、今後の展望を描きにくい状況に陥っている。両社とも再編メリットを享受するとの見方から好感買いされた。

イオンの狙いは、(1)原価率の維持、(2)対セブン&アイ(3382)、(3)都市型小型食品スーパー「まいばすけっと」のテコ入れ――の大きく3点という見方が出ている。

具体的には、「トップバリュ」に代表されるPB(自社ブランド)商品は量を増やせば増やすほどもうかる構造で、PB拡大による原価率維持。対セブン&アイの観点では、コンビニではミニストップとセブンイレブンでは勝負にならず、「スーパーで勝負」という考えから、もともと資本参加している企業に触手を伸ばし、イオンの弱点である都内を強化する戦略のようだ。

「まいばすけっと」にしてもコンビニ立地の一方、生鮮食品の品ぞろえはイオンで販売しているものをそのまま売っているのか4人家族向けが多く、1―2人暮らし対応が手薄で、誰にとっても好ましくない店という評価が聞かれていたが、都市型食品スーパー「マルエツプチ」も展開しているマルエツが加わることで、少量商品の供給先増加でコストが合うようになる可能性が指摘されている。

関東地盤のイオン系列スーパーには、ベルク(9974)いなげや(8182)も。中でいなげやはどちらかといえば商品はプレミアム志向で、経営陣も独立志向が強く、足りない部分を補うためにイオンの資本を入れた経緯がある。また、バブル期に起きた不動産会社・秀和によるスーパー買収のその後の顛末を知る経営陣もいることから、「いなげやが恐れているのは村上ファンドみたいなもの」(市場関係者)。

マルエツの“もう一人の大株主”である丸紅(8002)は、東武ストア(8274)にも資本参加している。東武ストアは民鉄8社会が手掛けるPB商品を入れているが、「京王電鉄100%子会社の京王ストアなどに比べ、東武ストアは東武鉄道による保有比率が少なく、8社会から離脱しやすいと考えられる。出店も年2―3店で今の規模でいつまでやっていけるのだろうか」(市場関係者)といった声が聞かれ、いずれイオンに合流する可能性があるとみられている。

一方、独立意識が強く、イオンやセブン&アイなどの傘下に入りたくないというスーパー経営者も少なくない。中で、売上高500億円以上で東北唯一の独立経営を守るヤマザワ(9993)に関心を寄せる向きも。

このほか、ユニーグループ(8270)は負け組視されているが、たまたま岐阜県地盤のバロー(9956)が崩れてきたため、一息つける状況。ただ、ユニーを取れば、愛知と北陸を押さえることができるため、イオン、セブン&アイが虎視耽々(たんたん)と狙っているとのうわさも。

営業利益率1%未満のスーパーにはオークワ(8217)もあるが、和歌山地盤で物流コストを考えると、イオンなどにとって魅力は乏しいとの見方も。

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