話題 “ミニ逆噴射”の影に年金売買 4月の厚生年金法改正も焦点

概況


公的年金のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に続いて、公務員の共済年金にも、政府主導による運用見直し(債券→株式シフト)の動きが加速。31日に新たな基本指針が決まると報じられるなど、「買い主体」としての年金に対する市場の期待は高まるばかりだが、一方で、年金にまつわる、ある“不穏な動き”も一部で話題を呼んでいた。

24日から25日前場にかけての出来事。24日の下落率上位となったアステラス製薬など優良株の一角がまとまった売り物を浴びる一方で、地銀、電鉄などが妙な強調を保ち、アクティブファンドマネージャーの運用現場では混乱を招いていたようだ。ほどなく収束したため、市場では「期末事情」の一言で済まされたが、クオンツアナリストの間では、かつて2007年8月8-10日に生じた“ロング・ショートの逆噴射”を想起する声も挙がった。当時は、表面的には日経平均の小動きが続く中、優良株が軒並み売られ、業績悪銘柄が急騰する極端に歪(いびつ)な展開となり、後のBNPパリバ・ショック、そしてヘッジファンド危機に至る発端となった経緯がある。一瞬、そのミニ版も連想されたが、結論から言えばもちろん杞憂。各社クオンツの間では「国内年金アクティブファンドによる売りが関係している」(野村証券レポート)と結論付けられている。

顧客へのヒアリングなども含めて情報を分析した事情通によると、「おそらく複数の年金基金が成績の悪いバリュー投資の比率を下げるべく、合同口で運用するバリュー系ファンドを解約し、一時的にTOPIX連動ファンドに資金を移したもの。24日に約7000億円のトレードが生じたが、新年度入り後は、いずれグロース系ファンドに資金を振り向けるのではないか。年金保有比率の高いグロース系銘柄には買いが入る可能性がある」とのことだった。

ただ、今回の一件で関係者をヒヤッとさせた背景には、4月1日の厚生年金保険法改正を受け、これから厚生年金基金解散ラッシュを迎えることがある。13日時点の厚生労働省調査によると、534基金中、既に195の基金が解散か代行返上を決めている。GPIFに日本株買いが期待される半面で、代行運用している企業の厚生年金基金は保有株圧縮を進めていくことになりそう。

年金信託の持ち株比率の高い上位銘柄として、ITHD、TPR、牧野フラ、三協立山、オリックス、ユニプレス、アルプス電、Paltac、ヤマダ電、ホギメディの名が挙げられており、一応注意も必要か。

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